地縁集団(読み)ちえんしゅうだん

精選版 日本国語大辞典 「地縁集団」の意味・読み・例文・類語

ちえん‐しゅうだん ‥シフダン【地縁集団】

〘名〙 同じ地域に住んでいるということを主要因として作られる集団町内会商店街など。地縁団体。→血縁集団

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デジタル大辞泉 「地縁集団」の意味・読み・例文・類語

ちえん‐しゅうだん〔‐シフダン〕【地縁集団】

一定地域に居住していることに基づいてつくられる社会集団。地縁団体。→血縁集団

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地縁集団」の意味・わかりやすい解説

地縁集団
ちえんしゅうだん

同じ土地に住んでいるというゆかりで人々や諸家族が結び付いてつくっている社会集団のことをいう。もともと社会的存在である人間は、諸種の社会集団をつくって生活しているが、そのうち地域的なものを結合契機にして形成されているものがこれである。とくに農村社会に、あるいは都市社会においても、住民の相互扶助的な性格をもった集団として、それらの社会構造の基礎を形づくっている。わが国では、組とか村落村寄合(よりあい))、あるいは町内(町内会)などがその典型的な事例である。これらには自治的な機能をもったものが多い。同じ性格の集団が、アメリカではローカリティ・グループlocality group(地域集団)という概念でとらえられている。近隣集団neighborhood groupや地域共同社会communityがそれにあたる。この場合それらは、中心地にあるサービス施設への住民の帰属意識の統一化によって形成されるものと考えられている。最近、近代化や都市化が進むにつれて、わが国における地縁集団の拡大化や、アメリカにおけるローカリティ・グループの関心集団(インタレスト・グループ)化の傾向が顕著になってきている。

[二宮哲雄]

『鈴木榮太郎著『日本農村社会学原理』(1940・時潮社/『鈴木榮太郎著作集Ⅰ・Ⅱ』1968・未来社)』『二宮哲雄著「ムラと組」(『講座日本の民俗 二 社会構成』所収・1980・有精堂出版)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地縁集団」の意味・わかりやすい解説

地縁集団
ちえんしゅうだん
local group

一定地域に共通の利害関心や面識関係をもって人間関係を保つことを第一義としている集団。定着的農耕社会の村落に多く,広義にはコミュニティーとも同義であるが,普通コミュニティー内の下位集団をいう。共有の土地,施設,財産の管理に機能するのみならず,社会生活運営にあたって必要な政治組織,慣習法もち,さらには象徴としての土地神祭祀などを行なっている。社会的分業や,コミュニティー間の交流がまだ発達しない段階では,警防や消防,各成員の家族や個人の生活の基盤を構築するに際して,地縁集団の合力が必要となる。このように,自給自足的,閉鎖的社会における互助共同のなかでは,地縁集団のもつ意味は第一義的であるが,諸組織が発達し分業が高度に進んでいる社会では,地縁集団は潜在的意味しかもたない場合が多い。

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