則(漢字)

普及版 字通 「則(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(異体字)
15画

[字音] ソク
[字訓] のり・のっとる・すなわち

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
正字はに作り、鼎(てい)+刀。鼎側に刀を加えて銘文として刻する意。叙任や賜賞など、重要なことは鼎銘に刻して記録し、あるいは約剤(やくざい)とした。約剤は契約書、剤の初文劑はもと(せい)に従う字で、とは方鼎をいう。円鼎に刻したものを則、方鼎に刻したものを剤という。鼎銘に刻するところは規範とすべきものであるから、定則・法則の意となる。また承接の語に用い、金文には行為の儀節の間に加えて「(すなは)ち拜す」「ち誓ふ」のようにいう。またものを分別していうときにも用いる。

[訓義]
1. ほる、銘文にほる。
2. のり、のっとる、ならう、規範とする。
3. 約束、約剤と同じ。
4. 件・条と同じ意。一くだり。
5. すなわち、そのときは、それは、もし。

[古辞書の訓]
名義抄〕則 スナハチ・ノトル・ノリ・ナズラフ 〔字鏡集〕則 スナハチ・タツトブ・ナズラフ・ノリ・カツテ

[声系]
〔説文〕に則声として側・惻・測など八字を収める。旁側と法則・則定の意をもつものがある。

[語系]
則tzk、側tzhikは声近く、鼎銘を則といい、鼎銘のあるところを側という。準則して測ることを測という。

[熟語]
則闕則欠則効則傚則象・則声則天・則度則微・則法則例
[下接語]
遺則・学則・規則・儀則・旧則・教則・極則・憲則・原則・古則・校則・細則・準則・常則・垂則・正則総則通則・定則・鉄則・天則・典則・内則・罰則・反則・犯則・付則・補則・法則・本則・民則・模則・立則・礼則・麗則

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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