精選版 日本国語大辞典 「兎角・左右」の意味・読み・例文・類語
と‐かく【兎角・左右】
① 雑多な事態を包含的に指示する。あれこれ。あれやこれや。何やかや。さまざま。いろいろ。とかくに。
※平家(13C前)一〇「あまりのおぼつかなさに、とかくして八嶋へ人をたてまつり給ひたりければ」
※謡曲・丹後物狂(1430頃)「さてもさても命は惜しいものかな、とかく投げられぬ」
③ ある一つの状態が、特定の条件を要するまでもなく、成り立ちやすいという気持を表わす。何かにつけて。得てして。どうかすると。ともすれば。とかくに。
※人情本・花街寿々女(1826)上「兔角(トカク)浮世は儘ならぬ」
④ (「とかくの」の形で) あれこれとよくないさま。「とかくの評判」
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