ブーニン(英語表記)Ivan Alekseevich Bunin

デジタル大辞泉 「ブーニン」の意味・読み・例文・類語

ブーニン(Ivan Alekseevich Bunin)

[1870~1953]ロシア詩人小説家。1933年ノーベル文学賞受賞。詩集落葉」、小説「村」「アルセーニエフ生涯」など。

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精選版 日本国語大辞典 「ブーニン」の意味・読み・例文・類語

ブーニン

(Ivan Aljeksjejevič Bunin イワン=アレクセービチ━) ロシアの詩人、小説家。ロシアの自然農村の姿、資本主義悪徳などを、抒情をたたえたリアリズムで描いた。革命後はフランス亡命。代表作に詩集「落葉」、小説「村」「アルセーニフの生涯」など。一九三三年ノーベル文学賞受賞。(一八七〇‐一九五三

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改訂新版 世界大百科事典 「ブーニン」の意味・わかりやすい解説

ブーニン
Ivan Alekseevich Bunin
生没年:1870-1953

ロシアの小説家,詩人。ボロネジの落ちぶれた古い貴族の家に生まれ,さまざまの職業を経験した。古典的なスタイルの叙景詩人として出発,詩集《落葉》(1901)やロングフェローの詩の訳でプーシキン賞を受賞,1909年科学アカデミー名誉会員に選ばれた。チェーホフ,ゴーリキーと知り合ってからその強い影響のもとに散文の道へ進んだ。はじめ〈ズナニエ(知識)〉派に近づき,批判的リアリズムの色彩の濃い中編小説《黒土》(1904),《村》(1910),《乾いた谷間》(1911)などで貴族世界の崩壊と農村の荒廃を徹頭徹尾悲観的な調子で描いたが,しだいに社会的な主題から遠ざかり,《人生の盃》《兄弟》(ともに1914),《サンフランシスコから来た紳士》(1915)など,死や人生の無意味さという主題を強調した短編を書いた。革命を嫌い,20年フランスへ亡命。その後も《ミーチャの恋》(1925),自伝的長編《アルセーニエフの生涯》(1930)などを書き,20世紀ロシアの最良の散文作家に数えられる。33年ノーベル賞を受賞。その後,ソ連邦・ロシア本国でも高く評価されるようになった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブーニン」の意味・わかりやすい解説

ブーニン
Bunin, Ivan Alekseevich

[生]1870.10.22. ボロネジ
[没]1953.11.8. パリ
ロシアの詩人,小説家。ロシア人で最初のノーベル文学賞受賞者 (1933) 。 1891年に最初の詩集を出版。初期の作品は『村』 Derevnya (10) ,『乾いた谷間』 Suknodol (11) など農村生活の後進性を描いたものが多いが,徐々に社会性をもつ作品から離れた。 20年にソ連政権を嫌ってフランスに亡命。主著『サンフランシスコから来た紳士』 Gospodin iz San-Frantsisko (16) ,『ミーチャの恋』 Mitina lyubov' (25) ,『トルストイの解放』 Osvobozhdenie Tolstogo (37) 。

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百科事典マイペディア 「ブーニン」の意味・わかりやすい解説

ブーニン

ロシアの作家。貴族の出身。詩人として出発,《村》(1910年),《乾谷》(1911年)などの中編でロシア農村の暗さをリアルに描いて世界的に知られた。革命後フランスに亡命,自伝小説《アルセーニエフの生涯》(1930年)のほか,《ミーチャの恋》(1925年)などを発表。散文の名手として知られる。1933年ノーベル文学賞。

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世界大百科事典(旧版)内のブーニンの言及

【ロシア文学】より

…詩の世界でリアリズムを代表するのはN.A.ネクラーソフであり,戯曲では,モスクワの商人社会を中心に1840年代から80年代までロシア社会をリアルに描いたA.N.オストロフスキー(《雷雨》1859,《森林》1871など)である。リアリズムの残光を飾る短編作家,劇作家チェーホフは,次代のモダニズムへの移り行きをすでに感じさせ,ゴーリキー,ブーニンらも後にリアリズムに復帰するが,一時期モダニズム的手法に従った。(5)モダニズム 1894年のブリューソフの詩集《ロシア象徴主義者》で口火を切られた象徴主義運動の時代は,ロシア詩の〈銀の時代〉を招来するが,これは文化領域全体にわたるロシア・ルネサンスの始まりであった。…

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