ハンメルフェスト(英語表記)Hammerfest

デジタル大辞泉 「ハンメルフェスト」の意味・読み・例文・類語

ハンメルフェスト(Hammerfest)

ノルウェー北部の港湾都市。クバレイ島西岸にある不凍港で、北極海漁業基地。第二次大戦中ドイツ軍に占領され、大きな被害を受けた。ドイツ出身のロシアの天文学者フリードリヒ=フォンシュトルーベらによる子午線弧長の測量のために設けた三角点群の北端の測量点があり、記念碑が置かれる。2005年、「シュトルーベの測地弧」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハンメルフェスト」の意味・わかりやすい解説

ハンメルフェスト
Hammerfest

ノルウェー最北のフィンマルク州北西部クバル島にある世界最北端の町(北緯70°39′48″)。人口6900(1991)。古くから西フィンマルクの交通,漁業の中心で,基幹産業はフィンドゥス社の冷凍部門である。町となったのは1789年だが,長らく人口が増加しなかった。1914年までロシアとの白海交易(ポモール交易)の重要な中心であった。1890年の大火の後近代化されたが,1944年11月にドイツ軍によって焼き払われた。ノルウェー最初の発電所が建設された町。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンメルフェスト」の意味・わかりやすい解説

ハンメルフェスト
Hammerfest

ノルウェー北部,フィンマルク県北西部の町。世界最北の町の一つで,ノルウェー北端ノールカップ (岬) の南西約 100km,クバレイ島西岸に位置する。 1789年自治権獲得。 1809年イギリス海軍により,91年火災により,1944年ドイツ軍によって破壊されたが,その都度復興し,フィンマルク県西部の商業中心地の一つとなった。暖流影響で,1月も氷点下になることが少く,不凍港をもつことで知られる。 11月下旬から1月下旬まで太陽が見えず,5月中旬から7月下旬まで白夜となる。魚肉・魚油加工,船舶修理などが行われ,肝油などを輸出する。人口 6934 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンメルフェスト」の意味・わかりやすい解説

ハンメルフェスト
はんめるふぇすと
Hammerfest

ノルウェー北端に近いクバレイKvaløy島の西岸にある町。北緯70度40分に位置する。人口9027(2002)。300年の歴史をもつ貿易の中心地であるが、第二次世界大戦中ドイツ軍に占領され、撤退の際完全に破壊された。いまは近代的な教会や住宅が整然と建ち並び、周囲の地形と調和した美しい景観をみせている。漁業基地として、魚や肝油の取引が行われる。クバレイ島には毎夏サーミ人が4000頭ほどのトナカイを連れてテントを張る。5月17日から7月28日まで「真夜中の太陽」(白夜)がみられる。

[竹内清文]

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百科事典マイペディア 「ハンメルフェスト」の意味・わかりやすい解説

ハンメルフェスト

ノルウェー北部の港町。北東大西洋暖流の影響でヨーロッパ大陸最北部(北緯70°40′)の不凍港。18世紀末以来捕鯨基地として栄え,水産加工が行われる。5月半ばから7月末まで白夜が続く。近年は観光業が盛ん。9600人(1993)。

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