ニルソン(英語表記)Bo Nilsson

改訂新版 世界大百科事典 「ニルソン」の意味・わかりやすい解説

ニルソン
Bo Nilsson
生没年:1937-2006

スウェーデンの作曲家。ほとんど独学で音楽を学び,18歳のときに処女作フルートバス・クラリネット,ピアノ,打楽器のための二つの楽曲》を作曲し,西ドイツで放送されて話題を集めた。1956年にダルムシュタット国際現代音楽夏期講習に参加し,そのとき初演された《フレクウェンツェンFrequenzen》によって前衛的な作曲界に認められた。以後ブーレーズ,シュトックハウゼンらの影響を受けながら,セリー・アンテグラルミュジック・セリエル)から偶然性までの技法を用い,連作《スツェーネSzene》(第1作1960,第2作1961,第3作1961,第4作1975)を発表,スウェーデンのアバンギャルドの代表的な作曲家となった。
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ニルソン
Birgit Nilsson
生没年:1918-2005

スウェーデンのソプラノ歌手。教会聖歌隊隊員として音楽を学び始め,1941年にストックホルム王立音楽アカデミーに入学,46年ストックホルム王立歌劇場で《魔弾射手》のアガーテでデビューした。国外での活躍は,51年のグラインドボーン音楽祭の《イドメネオ》のエレクトラ役に始まり,54年からはバイロイト音楽祭にも登場し,イゾルデ,ジークリンデ,ブリュンヒルデの役を歌い,20世紀後半の代表的なワーグナー歌手としての名声を獲得した。67年初来日。
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百科事典マイペディア 「ニルソン」の意味・わかりやすい解説

ニルソン

スウェーデンのソプラノ歌手。ニルッソンともいう。20世紀後半を代表するドラマティック・ソプラノ。ストックホルム王立音楽アカデミーに学び,1946年同地に《魔弾の射手》のアガーテ役でオペラ・デビュー。1954年−1955年ミュンヘン歌劇場でワーグナーとR.シュトラウスのオペラを歌い,名声を一躍高める。1954年来バイロイト音楽祭に登場,《トリスタンとイゾルデ》のタイトルロールや《ニーベルングの指環》のブリュンヒルデなどを演じワーグナー歌手として不動の地位を築いた。1967年に初来日し,1986年引退。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニルソン」の意味・わかりやすい解説

ニルソン
Nilsson, Märta Birgit

[生]1918.5.17. ウェストカルップ
[没]2005.12.25. ウェストカルップ
スウェーデンのソプラノ歌手。本名 Märta Birgit Svensson。ストックホルム王立音楽院に学び,1946年ストックホルム王立劇場で,カルル・ウェーバーのオペラ『魔弾の射手』のアガーテを演じてデビュー。 1951年グラインドボーン音楽祭,1953年ウィーン国立歌劇場に出演。 1957年バイロイト音楽祭で,リヒアルト・ワーグナー作曲『トリスタンとイゾルデ』のイゾルデ役の名演によって「比類なきイゾルデ」と絶賛された。さらに,同年ロンドンのコベントガーデン劇場,1958年にミラノ・スカラ座,翌 1959年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場でそれぞれデビューを飾った。ワーグナーのオペラのヒロインをあたり役とし,力強く豊かな歌声で世界的名声を博した。

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