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中央アジアのオアシス定住地帯を指す呼称。元来はペルシア語で〈トルコ族の住地〉〈トルコ族の国〉の意。現在のウズベキスタン,キルギス(キルギスタン),トルクメニスタン,タジキスタン各共和国とカザフスタン共和国南縁,中国領の新疆ウイグル(維吾爾)自治区南部の一帯を指す。前者を西トルキスタン,後者を東トルキスタン,中国領トルキスタンとも呼ぶ。ほかに,アフガニスタン北部を,アフガン・トルキスタンと呼ぶ場合もある。これらの諸地域に,現在,ウズベク,キルギス,トルクメン,ウイグルなどトルコ系諸民族が居住しているために用いられる呼称である。しかし,この地域が〈トルキスタン〉と呼ばれるようになるのは,10世紀ごろに開始され,16世紀ごろに完了したこの地域の〈トルコ化〉以降のことであり,それ以前には,この語はシル・ダリヤ,天山山脈以北の,遊牧トルコ族の居住する中央アジアの草原地帯を指す呼称として使用された。
執筆者:間野 英二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「トルコ人の住地」を意味するペルシア語。この語によって表される地域は歴史的に変化したが、現在では中央アジアのオアシス地帯をさす。パミール高原を挟んで、東トルキスタン(中国領の新疆(しんきょう)ウイグル自治区南部)と西トルキスタン(ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、トルクメニスタンの各共和国とカザフスタン共和国)とに分かれるほか、アフガニスタン北部をアフガン・トルキスタンという場合もある。これらの地域に主として、ウイグル、ウズベク、キルギス、カザフ、トルクメンなどのトルコ系民族が居住しているためである。ただし、この地域がトルコ人の住地となったのは、北の草原地帯からトルコ系遊牧民が次々に移住して(9世紀中ごろ~16世紀)、ここを「トルコ化」したのちのことである。なお、シルダリヤ中流域にあるトルキスタン市は、15世紀以降この町と周辺がトルキスタン地方とよばれていた名残(なごり)をいまに伝えるものである。
[堀川 徹]
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
イラン語で「トルコ人の住地」を意味し,中央アジアの大部分をさす。パミールを境に東西に分かれ,東トルキスタンはほぼ中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区にあたり,西トルキスタンは現在の中央アジア5カ国とアフガニスタンの北部にあたる。9~10世紀頃に西ウイグル王国とカラハン朝でこの地域住民のトルコ化が始まり,しだいに定着した。19世紀後半にロシアが西部をトルキスタン地方と呼んだが,ソ連も中国も東西の一体性やトルコ・ムスリムの自立性を否定した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…はじめモンゴル高原,のちトルキスタン方面に移住したトルコ系民族のひとつ。回紇,維吾爾とも記される。…
…したがって,アジアの〈中央部〉をどこと考えるかによって,この用語の含む地理的範囲は変化する。すなわち広義には,東・西トルキスタンのほかに,カザフ草原,ジュンガル草原,チベット,モンゴリア,アフガニスタン北部,イラン東部,南ロシア草原を含み,その内容は〈内陸アジア〉という用語の内容とほぼ一致する。これに対して狭義には,東・西トルキスタンのオアシス定住地帯のみを指す。…
…西方世界でのこの地方に対する呼称トランソクシアナTransoxiana,すなわち〈オクスス川(アム・ダリヤ)のかなたの地〉と同義である。これに対し,シル・ダリヤ以北の遊牧地帯はトルキスタン,すなわちペルシア語で〈トルコ人の住地〉と呼ばれたが,10世紀末に始まるカラ・ハーン朝のマー・ワラー・アンナフル支配以後,この地方に徐々にトルコ人が流入して,従来ペルシア語の用いられていたこの地方をトルコ化した結果,現在ではこの地方をもトルキスタンと呼び,マー・ワラー・アンナフルという用語は,いわばこの地方に対する雅称として用いられている。【間野 英二】。…
※「トルキスタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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