頻(漢字)

普及版 字通 「頻(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 17画

(旧字)
16画

(異体字)
19画

[字音] ヒン
[字訓] みぎわ・しきりに

[説文解字]

[字形] 会意
(歩)+頁(けつ)。〔説文〕十一下を正字とし、「水(すいがい)なり。人の附(ひんぷ)する(近づく)なり。顰戚(ひんしゆく)して(すす)まずして止まる。頁に從ひ、(せふ)に從ふ」(段注本)とするが、その説くところは、形義ともに明らかでない。金文に「順子」の順を(渉)に従って字形にしるすことがあり、おそらく水辺における弔葬の礼に関する字であろう。〔玉〕に別に字を録し「詩に云ふ、國斯(ここ)に(あやふ)し。なり」とし、次に〔説文〕の文を引く。〔広雅、釈詁三〕に「比なり」と訓するのは「しきりに」の意。〔説文〕に「顰戚」の語を以て解するのは、あるいはがもと弔葬に関する字であったことと、関連があることかもしれない。頁は儀礼の際の儀容。水に臨んでその儀容を用いるのは弔葬のことであるらしく、孝順の順が金文にの形にしるされるのも、そのためであろうと思われる。は水渉り。聖俗のことに関する民俗として、古く行われることが多かった。

[訓義]
1. みぎわ、みぎわの儀礼。
2. しきりに、さしせまる、みだれる。
3. ちかづく、したしむ。
4. 顰(ひん)と通じ、ひそむ、しかめる。

[古辞書の訓]
名義抄 シキリナリ・シバシバ・スミヤカニ・スミヤカナリ・イヤイヤ・ヒソム

[語系]
bien、濱(浜)pienは声近く、水浜をいう。頁に従うのは、その水浜における儀礼に関する字である。(墳)biun、邊(辺)pyenとも音が近く、は墓所、邊は辺徼(へんきよう)における祭梟(さいきよう)(首祭)の俗を示す字。また涯(ひんがい)の意と通じるところがある。比pieiと声近くして、しきりに、せまるなどの意があり、顰・は、せまって気の泄(も)れることをいう。

[熟語]
頻数頻蹙頻仍頻伸頻年頻煩・頻繁頻犯・頻頻

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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