隘(漢字)

普及版 字通 「隘(漢字)」の読み・字形・画数・意味


13画

[字音] アイ・アク・ヤク
[字訓] せまい・けわしい

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
声符は(益)(えき)。〔説文〕十四下に「陋なり」とあり、隘をいう。(いつ)と縊(い)の両形があり、水、縊は糸を縊(くく)る形に従う。隘は縊る、くびれたところをいう。(ふ))は神梯、神霊の降るところは盤座(いわくら)のように往来の困難な険峻の地である。篆文第二字は水の形に従い、誤形。

[訓義]
1. せまくけわしいところ。
2. 行きどまりの進みがたい状態。
3. 険阨のところの意から、困難をきわめる状態をいう。苦しむ。
4. 陋(いや)しい、せまく小さい。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕隘 ケハシ・サカシ・セバシ・イヤシ・スミヤカニ 〔字鏡集〕隘 スミヤカ・イヤシ・ミニクシ・タチマチ・ケハシ・サカシ・サカ・サキ・ツタナシ・セバシ・ハザマ・タシナム

[声系]
(やく)は縊系統の字で、隘と声義が近い。阨(やく)は車の軛(やく)に従う形であるが、声義が近い。

[語系]
隘・厄・阨・扼ekは古音同じ。iek、握eokも声義が近く、すべてネックとなるところをいう。咽yen、噎yetも咽喉のつまる意があり、同系の語。

[熟語]
隘害・隘窮隘狭隘窘隘衢・隘険・隘隘塞隘懾隘湫隘阻・隘薄隘厄・隘路隘陋
[下接語]
関隘・危隘・狭隘・狷隘険隘・喧隘・嶮隘・峻隘湫隘・阻隘・束隘・塞隘・俗隘・塡隘・隘・迫隘・貧隘・隘・陋隘

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報