除草
じょそう
耕地から雑草を駆除すること。雑草防除ともいい、生育中の雑草を除去することだけでなく、発生を抑制することも含まれる。雑草の発生防止には、深く耕して表土に多い雑草種子を作土の下深くに埋めてしまう方法や、藁(わら)やビニルなどで地面を覆う、いわゆるマルチングによって発芽を抑制する方法などがある。発生した雑草を駆除するには、手取り除草をはじめ、表土を浅く攪拌(かくはん)して芽生えたばかりの雑草を殺す方法、うね間を耕して雑草の根を切断して枯らす中耕除草、雑草を埋め込んでしまう培土などの方法がある。水田では、水を深く張り、雑草を溺死(できし)させる方法もある。以上のような物理的除草法とともに、最近では除草剤を用いる化学的除草法が普及している。除草剤には、無差別に植物を枯らす型のものと、特定の雑草だけを枯らす選択性除草剤とがある。炎天下でのもっともつらい農作業といわれた除草も、現在では物理的除草法と化学的除草法とを組み合わせて行われており、全農作業労力中に占める比率は激減した。
[星川清親]
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除草【じょそう】
田や畑,山林,庭園などで栽培を目的とする植物以外の雑草を取り除くこと。作物栽培ではきわめて重要。必要度や方法は作物の栽培時期,生育の速度,草型,栽植密度などの条件により異なるが,適期に行わないと雑草に肥料を吸収されたり,受光量が減って収量が減少する。手取りのほかに除草機や除草剤が多く使われている。
→関連項目カルチベーター|水田土壌
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除草
じょそう
weed control
作物に有利な条件を与えるため,または美観上の必要から雑草を取除くこと。後者の場合には徹底した環境の変更なども行われるが,前者の場合には作物には無害であることを必要とする。最近の化学農法は,除草のために雑草を徹底的に,または選択的に枯死させる薬剤を用いることが多く,農業公害の面からの批判の声もあがっている。
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じょ‐そう ヂョサウ【除草】
〘名〙 雑草を取り除くこと。くさとり。《季・夏》
※生活の探求(1937‐38)〈島木健作〉二「田の除草にさへ」 〔斉民要術‐種穀〕
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デジタル大辞泉
「除草」の意味・読み・例文・類語
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じょそう【除草 weeding】
耕地や庭園,林地その他に発生する雑草を除去すること。雑草が作物などと共存すると,(1)相互間に生育の競争が起こり,しばしば作物が圧倒される,(2)雑草が病虫害,獣害の媒介者となる,(3)雑草の繁茂は通風不良,過湿,気温・地温の低下など,作物周辺の環境条件を悪化させるなどから,作物の生育・収量が抑制される。とくに(1)の競争は,光,水,養分の争奪で,最も大きな害を生ずる。これらはいずれも雑草の繁茂による直接的な害であり,これを防止するのが除草の主目的となる。
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