録事(読み)ロクジ

デジタル大辞泉 「録事」の意味・読み・例文・類語

ろく‐じ【録事】

記録文書をつかさどる官職書記
公式宴会の際に、酒などの世話をする役人
律令制で、軍中で書記関係の仕事をつかさどる役。
旧日本陸海軍文官の一で、軍法会議構成の一員調書作成や記録などをつかさどった。

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精選版 日本国語大辞典 「録事」の意味・読み・例文・類語

ろく‐じ【録事】

〘名〙
① 令制で、遠征軍の主典のうち、書記関係業務を任とするものの官名。一軍が九千人以下ならば二人、一万人以上ならば四人置かれる。また遣唐使その他の臨時の使節の主典相当のものもいう。〔令義解(718)〕
② 判官または主典の唐名。ただし、上に所属官名の唐名をつけて用いた。
※続日本紀‐宝亀六年(775)六月辛巳「以正四位下佐伯宿禰今毛人遣唐大使〈略〉判官録事各四人」
公家饗宴を行なうとき、酒を勧めにいく役。
※九暦‐九暦抄・天暦二年(948)正月五日「五巡、被祿使
④ 書記。
※東大寺続要録(1281‐1300頃)諸会篇本「云大会興行之儀式一日法務之録事権律師尊玄〉殊悦申」
旧制で、軍法会議および同会議を設ける以前に置かれた陸軍裁判所を構成する判任文官。法廷に立ち会って、調書の作成・訊問供述の記録などをする者。
※陸軍治罪法(明治二一年)(1888)一〇条「軍法会議は〈略〉理事試補及び録事を以て構成す」
⑥ 旧制で、陸軍省海軍省・陸軍法官部および宮内省・御歌所の職員。庶務に従事する判任官
※海軍省官制(明治三三年)(1900)一五条「海軍省に〈略〉録事を置き」

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普及版 字通 「録事」の読み・字形・画数・意味

【録事】ろくじ

記録の係。

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