釈院（読み）しやかいん

日本歴史地名大系

釈院
しやかいん

• 熊本県：八代郡
• 泉村
• 柿迫村
• 釈院

[現在地名]泉村柿迫 木場

釈迦院岳（九八〇メートル）の頂上にある。金海山大恩教寺と号し、天台宗。本尊釈迦如来。寺伝によると、天台僧の弉善の開基という。弉善は宝亀八年（七七七）北種山（きたたねやま）村（現東陽村）梅林（ばいりん）に生まれ、幼名薬蘭、隣村小浦（こうら）の伊倉山薬師寺に入り剃髪し神童といわれた。延暦一八年（七九九）四月大地震があり、山頂から金色の釈迦像が湧出し、薬蘭がこれを本尊として草庵釈迦院を創立した。桓武天皇が罹病したとき、薬蘭の加持祈祷によってたちまち平癒したという。天皇は彼に弉善大師の号を与え、当山に大恩教寺を建立せしめ、以来繁栄して寺領三千三〇〇有余町、坊数七五、末寺四九院と伝える。

釈院
しやかいん

• 大阪府：池田市
• 才田村
• 釈院

[現在地名]池田市鉢塚三丁目

五社（ごしや）神社の北東にある。高野山真言宗。鉢多羅山と号し、本尊は釈迦如来。寺伝によれば、神功皇后が大陸からもたらした仏舎利を多羅宝鉢に納め、巨大な石窟を築き納めた。のち行基が霊夢によりこの石窟より仏舎利を掘出し、聖武天皇の勅命で一寺建立、鉢多羅山若王（にやくおう）寺釈迦院と号したのに始まり、この時斎田若干を賜ったという。「摂陽群談」には「当寺伝来の宝物、仏在世の鉄鉢は、当荘の窟より出たり。

釈院
しやかいん

• 広島県：府中市
• 土生村
• 釈院

[現在地名]府中市土生町 辰山

救護山と号し、真言宗御室派。本尊釈迦如来。「備陽六郡志」は「救護山実蔵寺釈迦院」として町（まち）村栄明（えいみよう）寺の末寺で、慶安元年（一六四八）宮内（みやうち）村（現芦品郡新市町）の一宮（吉備津神社）遷宮に住職が出かけた留守に火事となり、過去帳その他ことごとくを焼失したと記す。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」