越知村
おちむら
[現在地名]越知町越知
仁淀川本流に坂折川（大桐川）・柳瀬川が合流する地にあり、「越智」とも書く。狭義には坂折川右岸に限定、広義では同左岸分徳村をも含み越知村という。庄屋の管轄区域としては後者で、「土佐州郡志」も「東限庄田村小船坂、西限大平村油行寺村川、南限三野村笹之休場、北限野老山村市之谷、東西三十町南北一里余（中略）其土黒」とし、村内小村として尾名川・文徳・楠神・油行寺をあげる。長宗我部氏時代末期から江戸時代初めにかけて「ミつを」（慶長二年「秦氏政事記」蠧簡集）、「三尾村」（慶長六年「山内一豊領知宛行状」深尾家文書）といわれたが定着しなかった。
浦内郷（現須崎市）の鳴無神社の鎌倉期の古厨子裏書（古文叢）に「御船遊神使逆川越智守□惟宗信□□」とあり、康永元年（一三四二）九月二六日付の佐伯国貞軍忠状（蠧簡集拾遺）に、北朝方の津野新庄（現須崎市）岡本城を攻撃した高岡郡北部地方の南朝方武士として「越智・佐河・度賀野軍勢」がみえ、当地方に有力領主層がいたことをうかがわせる。
越知村
おうちむら
[現在地名]鈴鹿市越知町
郡山村の北にあり、中ノ川南岸の自然堤防上の越知（下越知ともいう）、郡山集落北方の段丘の縁辺にある越知山、その西方にある山越知の三集落からなり、いずれも条里制水田に面している。建久三年（一一九二）八月の神領注文（神宮雑書）に
＜資料は省略されています＞
とあり、寛徳（一〇四四―四六）以前からの伊勢内宮領であったが、国司の妨害を停止するため宣旨が下された後、奉免（不輸租）の宣旨が下されたとある。「神鳳鈔」にも「内宮越知御厨三十二丁、上分三石、六九十二月、口入三石」とある。
越知村
おちむら
[現在地名]神崎町越知
猪篠村の東、越知川中流域に位置し、飯盛山（九〇〇・七メートル）の西麓に集落が点在する。多可郡に属した。慶長国絵図に「をち村」とみえる。領主の変遷は大山下村と同じ。寛永三年（一六二六）の多可郡新検高（松井家文書）では高二六〇石余。正保郷帳では田方一八一石余・畑方一三〇石余、「山役有・鉄炮役有」と注記される。元禄郷帳では高二六〇石余。年貢は生野奥御蔵（現生野町）に納められた（嘉永五年「御用留」生野書院蔵）。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
