誇・矜(読み)ほこる

精選版 日本国語大辞典 「誇・矜」の意味・読み・例文・類語

ほこ・る【誇・矜】

〘自ラ五(四)〙
① すぐれていると思う気持を態度に表わす。意気揚々とする。得意になる。自慢する。
書紀(720)雄略一八年八月(前田本訓)「自ら、能く射(ゆみい)るに矜(ホコリ)官軍(みいくさ)に謂ひて曰はく」
② ゆたかな生活をおくる。栄耀に暮らす。
海道記(1223頃)鎌倉遊覧「人倫は心調へて誇ともおごらず」
③ 図にのってのぼせあがる。増長する。
浄瑠璃蘆屋道満大内鑑(1734)一「人のうやまひもてはやしにほこる悪事ぞうたてけれ」
物事の状態がどんどん進行する。
正倉院文書‐宝亀三年(772)六月五日・奉写一切経所食口案帳「仕丁一人〈八合〉 病保許利」
⑤ 悟る。
※米沢本沙石集(1283)一〇本「御目をみせ給てほこりてこそ候らめ」
⑥ すばらしいもの、優れたものとして他に示しうるような、ある特徴・能力をもつ。
煙管(1933)〈新田潤〉「赭(あか)ら顔の、手には毛の生えてゐた刑事は柔道三段を誇る札附だった」

ほこり【誇・矜】

〘名〙 (動詞「ほこる(誇)」の連用形名詞化) 名誉に思うこと。自慢すること。また、その心。
※家(1910‐11)〈島崎藤村〉上「普通の下女奉公と同じに見られまいとする矜持(ホコリ)から」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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