官軍(読み)カングン

デジタル大辞泉 「官軍」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぐん〔クワン‐〕【官軍】

朝廷・政府側の軍隊。「勝てば官軍

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精選版 日本国語大辞典 「官軍」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぐん クヮン‥【官軍】

〘名〙 朝廷の軍勢。政府方の軍隊。
※続日本紀‐慶雲四年(707)五月癸亥「初救百済也。官軍不利」
太平記(14C後)九「官軍多討れて内野へはっと引」 〔晉書‐桓温伝〕

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改訂新版 世界大百科事典 「官軍」の意味・わかりやすい解説

官軍 (かんぐん)

一般的に朝廷側の軍隊の意だが,狭義には戊辰戦争時の新政府側軍隊を指す。幕府側は〈賊軍〉とされた。1868年(明治1)鳥羽・伏見の戦後,征討大将軍に嘉彰親王が任命され,各地に鎮撫使が派遣された。さらに2月,東征大総督府が置かれ,大総督に有栖川宮熾仁(たるひと)親王が任命され,諸道総督府が設置された。ここに官軍は菊章旗(錦の御旗)を得,指揮体系もととのった。諸道総督府は,広範な軍令・軍政の権限を持ち,薩摩藩や長州藩などの実力者が参謀として加わり,戦局を指導した。軍隊は,新政府側諸藩兵と草莽諸隊で構成され,諸藩連合軍の性格も残していた。草莽諸隊に,北越草莽諸隊や赤報隊など多数があるが,大総督府は,早くからこれらの統制につとめ,ときには赤報隊のように偽官軍として弾圧した例もある。戦地民政に,北陸や東北で民政局を各所に置き,窮民保護を宣伝し,年貢半減令を出した地域もあり,成果を収めたが,一方,百姓一揆武力で押さえた例もある。
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とっさの日本語便利帳 「官軍」の解説

官軍

朝廷方の軍隊。朝敵との戦に際しては、その標として赤地金銀の錦の御旗をいただいた。戊辰戦争においては、倒幕派が江戸に送った東征軍(徳川慶喜を朝敵とする)をこう呼ぶ。

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普及版 字通 「官軍」の読み・字形・画数・意味

【官軍】かんぐん

官兵

字通「官」の項目を見る

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