荷足船(読み)にたりぶね

精選版 日本国語大辞典 「荷足船」の意味・読み・例文・類語

にたり‐ぶね【荷足船】

〘名〙 茶船一種で、関東河川や江戸湾で小荷物運送にあたった小船川船奉行支配下にあり、長さは同じ茶船類の猪牙船(ちょきぶね)と同程度だが幅が広く荷を積むのに適した船型をしていた。荷足。〔諸造船式図(古事類苑・器用二五)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「荷足船」の意味・わかりやすい解説

荷足船 (にたりぶね)

東京湾・相模湾あたりで使われていた小型の和船五大力船よりは小さく,猪牙船(ちよきぶね)よりは大きかったという記録がある。東京湾では桁曳漁(けたひきりよう)にも使用されていたが,主として荷船として利用され,大正初年ころ神奈川県の多摩川から砂利を運んでくるものを,東京では〈神奈川荷足〉といっていた。幅が狭く,船足が比較的速く,飛脚船としても使われていたという。
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