茅ヶ岳(読み)かやがたけ

日本歴史地名大系 「茅ヶ岳」の解説

茅ヶ岳
かやがたけ

須玉町と中巨摩郡敷島しきしま町にまたがる山。標高一七〇三・五メートル。富士火山帯に属する休火山で、コニーデ型をなす。八ヶ岳連峰に似るところからニセやつなどと称されることもある。「甲斐国志」には「金岳・茅岳一山ニシテ別峰ナリ」とあり、また「甲斐叢記」には「金ガ嶽と云。又鐘ガ岳とも作」とあるように、北方かねヶ岳と混同ないし同一視されていたと思われる。山名は金ヶ岳から派生した可能性もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「茅ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

茅ヶ岳
かやがたけ

山梨県北西部にある山。甲斐市(かいし)と、北杜市(ほくとし)の境にある。標高1704メートル。南西方に火山砕屑物(さいせつぶつ)からなる広大な緩斜面をもち、農耕地あるいはゴルフ場などの利用が進んでいる。頂上からの八ヶ岳(やつがたけ)、北アルプス、南アルプスの展望がすばらしいことで知られる。また、『日本百名山』の著者深田久弥(ふかたきゅうや)終焉(しゅうえん)の地(登山中死去)でもある。登山路はJR中央本線韮崎(にらさき)駅からバスを利用、深田記念公園経由が一般的。ほかに甲斐市方面から観音峠経由でも登れる。

吉村 稔]

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改訂新版 世界大百科事典 「茅ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

茅ヶ岳 (かやがたけ)

山梨県北部,甲府市の北北西に位置する火山。標高1704m。秩父山地を作る中生代白亜紀の地層や花コウ岩を貫いて形成された第四紀前期の黒富士火山の西斜面にある寄生火山で,主として複輝石安山岩の溶岩,火砕流堆積物より成る。小型ながらすっきりした山容をもち,標高1000m付近以下では緩傾斜となり,火山山麓扇状地,火砕流台地をなす。この緩斜面上には,釜無川や御勅使(みだい)川のはんらんを避けるため,古来,主要な交通路がおかれた。また平安中期以来,官営の馬牧穂坂牧が設けられ,甲斐の代表的な馬の産地となり,中央に献じられた。現在はダイコン,桑,ブドウの栽培が主である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「茅ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

茅ヶ岳
かやがだけ

山梨県北西部,甲府盆地の北方にある火山。標高 1704m。安山岩質の岩石とその砕屑物から成る。西側から南側にかけては浅尾原などの広大な裾野を展開する。

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事典・日本の観光資源 「茅ヶ岳」の解説

茅ヶ岳

(山梨県韮崎市・北杜市・甲斐市)
山梨百名山」指定の観光名所。

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