普及版 字通 「繰(漢字)」の読み・字形・画数・意味
17画
(異体字)繰
19画
[字訓] くる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(巣)(そう)。〔説文〕十三上に「(まゆ)を繹(いとく)りて絲と爲すなり」とあり、繭から糸を繰りとることをいい、繰も同じ字。の異文に、・參(参)・蚤に従う字があるが、からんだ糸を繰りとるのはが本字。また飾りひも、組みひもなどの意に用いる。
[訓義]
1. いとくる。
2. 冠のたれひも、ひもかざり。
3. 玉を敷くしきもの。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕繰・ クル 〔字鏡集〕・繰 アソブ・ヲスヂ・クル・マユヒク・イトスヂ
[熟語]
演▶・繭▶・糸▶・車▶・▶・席▶
[下接語]
繭・蚕・糸・抽
繰
常用漢字 19画
(異体字)
17画
[字訓] くる・あやつる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(そう)。〔説文〕十三上に「帛(きれ)の紺の色の如きものなり。或いは曰く、深(紺)なり」とあり、紺青の色をいう。また「繰(く)る」とよみ、わが国では「繰(あやつり)人形」のように用いる。糸を操るという意に用いたのであろう。
[訓義]
1. あお、ふかいあお、こん。
2. あおいきれ。
3. かとりのきぬ、あや。
4. と通じ、くる、くりとる。
5. わが国では、あやつる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕繰 クル 〔字鏡集〕繰 アソブ・ヲスヂ・クル・マユヒク・イトスヂ
[語系]
繰tzi、sは声近く、は〔説文〕十三上に「(まゆ)を繹(くりと)りて絲と爲すなり」という。「繰る」はの訓を以て用いたものであろう。
[熟語]
繰纓▶・繰演▶・繰繭▶・繰糸▶・繰車▶
[下接語]
紺繰・山繰・糸繰
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報