絡繰・機関(読み)からくり

精選版 日本国語大辞典 「絡繰・機関」の意味・読み・例文・類語

から‐くり【絡繰・機関】

〘名〙 (動詞「からくる(絡繰)」の連用形の名詞化)
① 糸などであやつって動かすこと。あやつり。また、糸などの仕掛けで動くもの。あやつりじかけ。
※虎寛本狂言・瓜盗人(室町末‐近世初)「此綱を引けば杖が上る。又ゆるむれば打つ。〈略〉殊の外能いからくりじゃ」
② 仕掛け。仕組み。構造。
※信心録(ヒイデスの導師)(1592)一「ゴサクシャノ チャウジャウ ノ caracuri(カラクリ) ヲモッテ ツクリイダシタマウト キコエタリ」
随筆・北越雪譜(1836‐42)初「天地気中の機関(カラクリ)
③ 工夫をこらして物事を仕組むこと。細工。計略。たくらみ。
※上井覚兼日記‐天正一四年(1586)一〇月一〇日「京都より使者として、からくりに、鏡屋罷下由候」
浄瑠璃・心中天の網島(1720)中「小春殿に不心中芥子(けし)程もなけれ共、二人の手を切らせしは此のさんがからくり」
④ 表面だけを巧みにやりくりすること。やりくり身上(しんしょう)
※雑俳・柳多留‐一〇二(1828)「からくりを忰にゆづり若隠居」
評判記野郎虫(1660)花井浅之丞「此ごろは、人形つかいの上手ありて、からくりなをしたるゆへに、くびもすこし、うごくやうにおもはる」
洒落本辰巳之園(1770)「楊弓のカッチリちりりんに胸をびくつかせ、からくりの太鼓に気をぬかれて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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