石仏寺（読み）せきぶつじ

日本歴史地名大系

石仏寺
せきぶつじ

• 山形県：天童市
• 高擶村
• 石仏寺

[現在地名]天童市高擶

高擶北（たかだまきた）にあり、真砂山五仏院と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。弘安六年（一二八三）一向上人俊聖（義空）の開山と伝える。当時清池（しようげ）の伊達城（だてのじよう）集落（現県立自動車運転免許試験場）で疫病が流行したため、成生（なりゆう）庄を中心に布教活動をしていた義空に救済を求めた。上人は五個の大石に五智五仏の石像仏を彫り、念仏を唱えたため、疫病は退散した。郷民はこれに報いるため一宇を建立、五智五仏の石像を堂内に安置して石仏寺と号した。その後衰微し、残った草堂を疫除堂と称していたが、延文元年（一三五六）忍阿玄悦が復興、第二世となる。

石仏寺
せきぶつじ

• 奈良県：生駒市
• 藤ノ尾村
• 石仏寺

[現在地名]生駒市藤尾町

旧暗（くらがり）越大坂街道の脇にある融通念仏宗の寺。岩生山と号し、本尊は阿弥陀石仏（秘仏）で花崗岩製の丸彫坐像。仏身・蓮座・光背は各別石で、定印を結び、光背の左右に観音・勢至の脇侍を小さく彫出し、全体としては弥陀三尊となっている。光背の両端に「永仁二年甲午十二月十五日　大願主行仏　大工伊行氏」と刻銘があり、永仁二年（一二九四）伊派石大工の一人、伊行氏の作。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」