眉(漢字)

普及版 字通 「眉(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音]
[字訓] まゆ

[説文解字]
[甲骨文]

[字形] 象形
目の上に眉のある形。〔説文四上に「目上の毛なり」とし、「目に從ひ、眉の形に象る。上は理(がくり)に象るなり」とあって、額(ひたい)の皺(しわ)を加えた字形であるという。卜文の字形によると、目の上には呪的な目的のために眉飾を加えており、呪眼と同じような意味をもつものであろう。媚の初文とみられ、媚はいわゆる媚蠱(びこ)のことを行う巫女をいう。長寿のことを「黄眉寿」といい、金文に眉を(び)に作る。(び)の初文で髪を洗う意の字で、仮借。〔詩、風、七月〕に「以て眉壽を介(もと)む」とあり、眉が本字。長眉は寿考のしるしとされた。

[訓義]
1. まゆ、まゆげ。
2. 老人、長生の人。
3. (び)と通じ、ほとり。
4. 媚と通じ、こびる。

[古辞書の訓]
和名抄〕眉 万由(まゆ) 〔名義抄〕眉 マユ・ヨシ

[部首]
〔説文〕に省をこの部に属し、〔玉〕は眉・省をともに目部に属する。省は目に呪飾を加えて巡察省撫を行う意で、古代における眉飾のありかたを示す字。(徳)、聽(聴)などの字は、その形に従う。眉は媚蠱に関する字である。

[声系]
〔説文〕に眉声として・媚など五字を収める。媚はもと媚蠱をなす巫女をいう字であろう。(び)は屋書物の上欄のところをもいう。金文に海を「眉」としるしている。水辺を麋(び)というのは仮借の用法である。は水と草と交わるところ。の上をという。

[語系]
眉・・麋mieiは同声。biei、myenは声近く、(び)は榱(たるき)の端の連綿木。(べん)も榱の端にならべるのきづけの木。みな辺端に近いところにあるものをいう。

[熟語]
眉案眉宇眉蛾眉間・眉眼・眉急・眉月・眉軒・眉繭・眉語・眉婚・眉史眉須・眉寿・眉匠眉睫・眉雪・眉掃眉黛・眉対・眉頭眉批・眉尾眉憮・眉・眉目・眉門・眉梨・眉柳・眉眉彎
[下接語]
画眉・蛾眉・軒眉・亢眉・攅眉・芝眉・鬚眉・秀眉・修眉・愁眉蹙眉舒眉睫眉・伸眉・信眉・翠眉・斉眉・繊眉・双眉・霜眉・黛眉・長眉・低眉・眉・展眉・白眉・俛眉・明眉・揚眉・柳眉・両眉・連眉・斂眉

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報