生物学的半減期
セイブツガクテキハンゲンキ
biological half-life
生理的な排出過程によって,生体内に取り込まれた放射性物質の放射能が,半分になるのに要する時間.生体内の放射性物質の放射能は見掛け上,生理的排出過程と放射性崩壊の両方によって減少していくが,この両方によって放射能が半分になるまでの時間を実効半減期という.生物学的半減期 Tb,物理学的半減期 Tp(放射性崩壊によって放射能が半分になるのに要する時間)と実効半減期Tの間には,

の関係がある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
デジタル大辞泉
「生物学的半減期」の意味・読み・例文・類語
せいぶつがくてき‐はんげんき【生物学的半減期】
人間や動植物の体内に取り込まれた物質が、代謝や排泄などでおよそ半量が体外に排出されるのに要する時間。多く、放射性物質や毒物・重金属など有害な物質についていう。生理的半減期。
[補説]放射性物質の物理的な半減期とは無関係。例えば沃素131の生物学的半減期は80日から140日とされるが、物理的半減期は約8日であるため早い段階で毒性は弱まる。
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生物学的半減期
せいぶつがくてきはんげんき
biological half-life
生物の体内に沈着した放射性物質が,代謝作用や排泄作用によって半分の量に減少するまでの時間。ただし,生体内での放射能の強さは,物理的半減期と生物学的半減期の両者によって減っていくもので,両者を合わせた半減期を実効半減期という。
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生物学的半減期
生体に取り込まれた放射性物質,重金属,毒物などの半量が代謝されたり排泄されて,排出されるまでの時間.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
せいぶつがくてきはんげんき【生物学的半減期 biological half life】
生物体に取り込まれた物質の代謝速度を示す指標の一つ。体内に取り込まれた物質が排出あるいは代謝によって減少し,そのときの減少速度がその物質の体内量に比例している場合,最初にあった量が半分になるまでの時間をいう。たとえば,あるとき一度に100単位の物質を体内に取り込み,体内量が10日後には50単位,20日後には25単位,さらに30日後には12.5単位に減少するとき,この物質の生物学的半減期は10日であるという。
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世界大百科事典内の生物学的半減期の言及
【半減期】より
…核分裂や核融合で多種の放射性同位体が同時に生成される場合,半減期の短いものは早くなくなり,長い半減期のものは後まで残ることになる。生体中に放射性物質が取り込まれたときには,新陳代謝を考慮した生物学的半減期が用いられることがある。【山崎 敏光】。…
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