生・活(読み)いかす

精選版 日本国語大辞典 「生・活」の意味・読み・例文・類語

いか・す【生・活】

〘他サ五(四)〙 生きている状態にする。
① 死んだもの、死にかけたものの命をとりもどす。蘇生させる。よみがえらせる。
※文明本節用集(室町中)「鵝 〈略〉望使此鵝活(イカサ)
② 命を保たせる。死なないようにする。
平治(1220頃か)下「哀れ、尼が命を生かさんとおぼしめさば」
特性を十分に発揮させる。また、一見無用なものを役に立つように使う。有効に使う。活用する。「廃物を生かす」
帰省(1890)〈宮崎湖処子〉三「吾才の我を活(イカ)すに足らざるを悟り」
④ 文章の推敲や印刷の校正などで、一度消したものをもとにもどす。字句を復活させる。
李陵(1943)〈中島敦〉二「やはり彼は削った字句を再び生かさない訳には行かない」
⑤ 取引相場で、取引員が一度金切れになって取引関係を消滅させた客の売買玉を、話し合いの上で復活させる。〔取引所用語字彙(1917)〕

いけ【生・活】

〘名〙 (動詞「いける(生)」の連用形名詞化)
① 生かしておくこと。
歌舞伎霊験曾我籬(1809)九幕「煮るとも焼くとも刺身でも、旅と違って江戸前のこの長兵衛が活(イケ)の魚」
② 仮死状態の人や気絶した人を生き返らせること。活(かつ)
浄瑠璃伊賀越道中双六(1783)八「倒れ伏したる組子ども、引起して死活(しくゎつ)のいけ」
植物を、植えたり花器に入れたりすること。
※歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(鞘当)(1823)序幕「活(イ)けの手際(てがは)でくろめても」

いく【生・活】

〘接頭〙 (四段動詞「いく(生)」の連体形から) 名詞の上に付けて、いきいきとしている、生命と力が永久である、の意で、ほめたたえる気持を添える。「生(いく)太刀」「生(いく)井」

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