校正
こうせい
proofreading
印刷工程の途中で,校正刷りと原稿を照合し,文字の誤り,不備,不正確,不統一,不手ぎわ,レイアウトの違いなどを正す仕事。回数によって,初校,再校,三校などと呼び,校正が終ることを校了,訂正個所が少くて印刷所に責任をもたせて校了とすることを責任校了 (責了) という。校正のミスは根絶しにくく,校正ミスに関しての挿話は数多く残されている。有名な校正ミスとして,モーセの十戒のうち「姦淫するなかれ」の notを落した『姦淫聖書』がある。そのほかに,単色または多色の図版を訂正する図版校正がある。
校正
こうせい
calibration
キャリブレーション。検定また補正ともいう。測定器の目盛りを,正しい基準量と比較して補正値を知ること。測定器の指示値を I,基準値を Sとすると,I-S=Eを測定器の器差,-Eを補正値,S/I=Cの値を補正係数という。各目盛りごとに補正値または補正係数を出し,これを表にしたものを校正表,グラフにしたものを校正曲線といい,各測定器の校正のたびに測定器に付属させておいて,それにより指示値から正しい値を求める。なおこれは以前は「較正」と書かれたが,当用漢字の音訓制定以来「校正」になった。
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校正
印刷物と原稿を比較して,文字の誤りや組み方の不備,色具合などを点検し,著作者の意図した通りにできているかどうかをチェックする作業.印刷とはオリジナルに何らかの機械的あるいは化学的手段を介在させて複製を作ることなので,中間手段のでき具合によって,複製に良し悪しが生まれる.活字が介在手段であれば,原稿通りに活字を拾っているか,絵画の複製であれば,オリジナルの色調がうまく再現されているかなどが問題となる.
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
デジタル大辞泉
「校正」の意味・読み・例文・類語
こう‐せい〔カウ‐〕【校正】
[名](スル)
1 文字・文章を比べ合わせ、誤りを正すこと。校合。
2 印刷物の仮刷りと原稿を照合し、誤植や体裁の誤りを正すこと。「ゲラ刷りを校正する」
3 測定器が示す値と真の値の関係を求め、目盛の補正などを行うこと。国家標準で定められた標準器や、あらかじめ物理的量や化学的な純度などがわかっている標準試料を用いて校正する。較正。検定。キャリブレーション。
[類語]訂正・修訂・改訂・勘校・校閲・校合・校異・直す
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こう‐せい カウ‥【校正】
〘名〙
① 文字、文章をくらべあわせ、誤りを正すこと。きょうせい。校合(きょうごう)。
※続日本紀‐天平宝字七年(763)五月戊申「于時有レ勅、校二正一切経論一」
② 印刷物を印刷する前の過程で校正刷りを原稿に照らし合わせて、誤りを正すこと。また、「
校正刷(こうせいずり)」の略。
※福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉序言「原稿の校正にも多少の時を費すことなれば」
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校正【こうせい】
比べあわせて訂正すること。ふつうは印刷工程の一つを指す。活版印刷や写真植字の工程で仮刷り(校正刷り,ゲラ刷り)と原稿を照合し,誤植や組み誤り,脱落,伏字,体裁の不備,またカラー印刷では色の調子などを点検し,改めること。複数回繰り返されることもある。訂正の指定には校正記号を利用する。
→関連項目平圧式印刷機
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知恵蔵
「校正」の解説
校正
規定された条件下において、第1の段階で、測定標準(国際標準、国家標準、標準物質、またはこれに準じる適切な標準)により提供される測定の不確かさを伴う量の値と、測定の不確かさを伴う当該の表示値との関係を確立し、第2の段階で、ある表示値から測定結果を得るための関係を確立するために、この情報を用いる操作。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
こうせい【校正】
字義としては,比べあわせて訂正すること。したがって古典について〈契沖校正本〉〈村田春海校正本〉などの用例は,校合,校訂と同意である。しかし現今,普通に校正といえば,主として活版印刷や写真植字の工程において,植字されたものを適正にするために,その仮刷りと原稿とを照合し,伏字,誤植,脱落,組誤り,さらに体裁上の不備,また明らかな原稿の誤りなどを直し改めることをはじめ,活字組版以外,各版式による図版類についても,その試焼きまたは仮刷りを検討して正すことをいう。
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普及版 字通
「校正」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報