片野鴨池(読み)カタノカモイケ

デジタル大辞泉 「片野鴨池」の意味・読み・例文・類語

かたのかも‐いけ【片野鴨池】

石川県南西部にある池。加賀市北西、標高20~50メートルの丘陵の中にある淡水湿地。面積約0.1平方キロメートル。冬季にはガン・カモなど数千羽が飛来する。越前加賀海岸国定公園に属する。平成5年(1993)ラムサール条約登録。国指定の鳥獣保護区

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日本歴史地名大系 「片野鴨池」の解説

片野鴨池
かたのかもいけ

[現在地名]加賀市片野町

片野町の集落東方丘陵にある一・五ヘクタールの片野大池と、稲刈後に同池の流出口をふさいで満水させた池辺水田二ヘクタールを合せて片野鴨池という。マガンヒシクイが越冬し、秋冬期にはマガモクロガモ、キンクロガモ、トモエガモなどの大群やそれをねらうオオワシオジロワシノスリなどの猛禽類が飛来。野鳥観察地として有名。

片野大池の池水は古くは片野川によって片野集落のほうに流れ落ちていたが、年々砂が流れ出して川は埋まり、出口をふさがれて池水はしだいに溢れ出した。そこで延宝六年(一六七八)掘抜工事を行って周辺に新田を開いたという(江沼志稿)

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百科事典マイペディア 「片野鴨池」の意味・わかりやすい解説

片野鴨池【かたのかもいけ】

石川県加賀市,日本海から1kmほど内陸にある池。流入する片野川の運搬する土砂海風によって吹き寄せる海砂とが堆積し,せき止められる形で上流部に湿地を形成。これらの多くが江戸時代に水田化されたが,残された池はマガンヒシクイの越冬地となり,カモの大群も飛来する。このため古くから鴨猟が盛んで,伝統的な坂網猟法は県の有形民俗文化財に指定されている。1993年6月,ラムサール条約登録湿地となる。北陸本線の加賀温泉駅または大聖寺駅からバス。
→関連項目加賀[市]ラムサール条約

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「片野鴨池」の意味・わかりやすい解説

片野鴨池
かたのかもいけ

石川県南西部,加賀市の日本海沿岸にある池。橋立丘陵内の谷底平野砂丘により閉ざされてできた淡水池で,マガンヒシクイなどガンカモ類の越冬地として知られる。カモ類をねらってオジロワシオオタカなどの猛禽類も生息するほか,ミズアオイなどの希少植物が自生する。また,坂網猟と呼ばれる投網(なげあみ)によるカモ猟が江戸時代から伝承されている。越前加賀海岸国定公園に属する。1993年,周辺の水田,低湿地を含む 0.1km2ラムサール条約に登録された。

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デジタル大辞泉プラス 「片野鴨池」の解説

片野鴨池

石川県加賀市の中心部から北西約4キロメートルの海岸近くに位置する溜池。単に「鴨池」ともする。周囲約3キロメートルほどの小さな池だが、国指定天然記念物のオジロワシなどが飛来する県内有数の野鳥越冬地として知られ、鴨池観察館からバードウォッチングが楽しめる。1993年にはラムサール条約湿地に登録されたほか、農水省の「ため池百選」にも選定されている。

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事典 日本の地域遺産 「片野鴨池」の解説

片野鴨池

(石川県加賀市)
ラムサール条約湿地」指定の地域遺産。
大規模ガンカモ渡来地。国指定片野鴨池鳥獣保護区片野鴨池特別保護地区。越前加賀海岸国定公園特別地域。池及び休耕田からなる

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事典・日本の観光資源 「片野鴨池」の解説

片野鴨池

(石川県加賀市)
日本の重要湿地500」指定の観光名所。

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