清水神社(読み)しみずじんじや

日本歴史地名大系 「清水神社」の解説

清水神社
しみずじんじや

[現在地名]長野市信更町田野口

田之口たのくち日向ひなたの集落にある。東と南はひじり川の水田地帯に面し、西と北は低い山地である。その中の清水山山麓の南向きの丘に鎮座。旧村社。

祭神は、水神の罔象女命であり、相殿に事代主命・健御名方命・八坂斗売命を祀る。「延喜式」神名帳記載の清水神社は中世になってからその所在が不明になった。力石ちからいし村(現更級さらしな上山田かみやまだ町)・三水さみず村・真島ましま村にも清水神社がある。

田之口村地域は聖川の灌漑による水田地帯で、周辺には古墳が多く存在し、また松の山まつのやまの古窯跡をはじめ須恵器の窯跡が群在しており、古墳時代中期末から平安期にかけて開発の進んでいた地帯である。

清水神社
しみずじんじや

[現在地名]高松市由良

由良ゆら山の西山麓に鎮座する。旧村社。社記によれば讃岐国造の始祖神櫛王を祀る。古くは山頂にあり、天正年間(一五七三―九二)、土佐長宗我部氏の兵火に罹り、醴酒奉納の瓶三口を残してすべて焼失した。この瓶は承和八年(八四一)旱魃に際し、真雅が請雨の器として祈り、霊雨を得て以来これを定式としてきたという。高松藩主松平氏の尊崇厚く、国中一〇ヵ寺で祈願をしてもなお雨が降らない時は、当社で祈雨瓶洗の式を行い効験を得たと伝える。「全讃史」によれば由良・下田井しもたい二ヵ村の鎮守で、祠の傍らに瓶が三口あり、この瓶は詰田つめた川の下流かめ淵より出たもので、大干の時この瓶を洗えば必ず雨を得たという。

清水神社
しみずじんじや

[現在地名]長野市真島町真島

蔵王沖ざおうおきに鎮座する。祭神は本殿は広国押武金日命、相殿は速秋津比古命・速秋津比売命である。

宝暦九年(一七五九)の松代領神社書上によると、神社の現在地には、もと蔵王権現宮があって、祭神は蔵王権現であったことを記す。真島はつねに千曲川・さい川の洪水に悩まされてきた。この水害防除のために蔵王権現が祀られてきたが、明治初年の廃仏毀釈により廃棄となり、新たに祭神を勧請することになった。

清水神社
しみずじんじや

[現在地名]上山田町力石 西沖

字西沖に鎮座する。

祭神は本殿に豊宇気比売命、相殿に建御名方命と事代主命を祀る。

社伝によると、古くは隣村新山村八頭あらやまむらはつとう山の麓に氷清水こおりしみずと称する湧泉地があり、その水口に豊宇気比売命を奉斎し清水神社と称したという。この氷清水の水を田用水に用いた一帯を清水の里とよび、里人は豊宇気比売命を祀って春秋水口祭を行ってきた。後には、清水の里の広地へ氷清水の清水神社を奉遷して春秋の祭を盛大に行ったという。

応仁の乱後は神社は衰微し、そのうえ山崩れ等の変災に遭った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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