精選版 日本国語大辞典 「流転」の意味・読み・例文・類語
る‐てん【流転】
〘名〙
① 仏語。六道四生の迷いの生死を繰り返すこと。生まれかわり死にかわって迷いの世界をまどいあるくこと。輪廻(りんね)。流来(るらい)。
※菅家文草(900頃)七・顕揚大戒論序「夫菩薩戒者、流転不滅之教也」
※真如観(鎌倉初)「流転(ルテン)たゆる事なし」 〔八十華厳経‐一六〕
② 状態・境遇などが、たえず移り変わること。同じ状態にとどまらず変化していくこと。〔布令字弁(1868‐72)〕
※美的生活を論ず(1901)〈高山樗牛〉五「道徳哲学の歴史は是の流転の歴程を示して余りある」 〔白居易‐秋晩詩〕
③ 次々と受け継がれ伝わること。流れ伝わること。
※随筆・絵事鄙言(1799)「今民間に流転するものは尽く贋作にて」
りゅう‐てん リウ‥【流転】
〘名〙 =るてん(流転)
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