洗出(読み)あらいだし

精選版 日本国語大辞典 「洗出」の意味・読み・例文・類語

あらい‐だし あらひ‥【洗出】

〘名〙
① れんがで作った壁の表面を、漆喰(しっくい)などをせずに、生地のまま出しておくこと。また、その壁。〔日本建築辞彙(1906)〕
② 壁や土間などで、表面がかわかないうちに、ブラシなどをかけ水洗いをして、砂利、細石を浮きあがらせたもの。
※落語・蓄音機(1899)〈初代三遊亭金馬〉「入口の所が洗ひ出しの叩(たたき)になって居りまして」
③ 板の木目を、ブラシなどをかけ水洗いをして、特に目立つようにしたもの。杉戸などに多く用いられる。
歌舞伎天衣紛上野初花河内山)(1881)六幕「表口は洗(アラ)ひ出(ダ)しの化粧庇の意気な門だが」
④ 調査して、表面に現われていない事情をあきらかにすること。

あらい‐だ・す あらひ‥【洗出】

〘他サ五(四)〙
① 洗って木の板目などを出す。
夢十夜(1908)〈夏目漱石〉九「鼠色に洗(アラ)ひ出(ダ)された賽銭箱の上に、大きな鈴の紐がぶら下って」
② よく洗って、よごれを取り去る。
人情本・春色恋白波(1839‐41)一「雑巾を洗ひ出し拭て居る」
③ 形や事情などをあきらかにする。
天国記録(1930)〈下村千秋〉三「警察へ行ったらそいつを洗ひ出されるのが恐いんでせう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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