毛氈を被る(読み)モウセンヲカブル

デジタル大辞泉 「毛氈を被る」の意味・読み・例文・類語

毛氈もうせんかぶ・る

歌舞伎で、死人になった役者を、毛氈で隠して舞台から連れ出したところから》しくじる。失敗する。特に、主人や親に顔むけのできないことをして、その家を追い出されたり、放蕩ほうとうして勘当されたりするのにいう。
遊女が見世に出ている時は毛氈を敷いていたところから》女郎買いのために金を使う。また、金がなくなる。
「夜べ―・ったことは噯気おくびにも出さず」〈滑・古朽木〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「毛氈を被る」の意味・読み・例文・類語

もうせん【毛氈】 を 被(かぶ)

① (歌舞伎で、死人になった役者を毛氈で隠して舞台を去らせるところから) 不首尾になる。失敗する。特に、主人や親の手前をしくじる。放蕩して主人や親の家を追い出される。勘当を受ける。
浄瑠璃神霊矢口渡(1770)四「親玉へ知ると毛氈(モウセン)をかぶる出入だ」
② (遊女が見世に出ている時は毛氈を敷いていたところから) 女郎買いをして金を使う。また、金がなくなる。
滑稽本・古朽木(1780)一「夜べ毛氈(マウセン)(カブ)ったことは曖気(おくび)にも出さず」

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