しゅ‐じん【主人】
〘名〙
① 家のぬし。あるじ。
※文華秀麗集(818)上・春日対雨、探得情字〈
王孝廉〉「主人開
レ宴在
二辺庁
一、客酔如
レ泥等
二上京
一」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈
仮名垣魯文〉初「此間内証の千臆さん〈晩花楼主人の
俳名をし
かいふ〉へ」 〔春秋左伝‐成公一五年〕
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「奉公人も主人
(シュジン)は撰む事たが」 〔易経‐
明夷〕
※道(1962)〈庄野潤三〉一「初めて主人が
家出をしたことに気が附きました」
※明和本正法眼蔵随聞記(1235‐38)五「主人は
寺院の
大小の事、都て管せず」
※
茶湯一会集(1845頃)「主人は
万事に心を配り、聊
(いささか)も麁末なきやう、深切実意を尽し」
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デジタル大辞泉
「主人」の意味・読み・例文・類語
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普及版 字通
「主人」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典(旧版)内の主人の言及
【もてなし】より
…ホメロスの《イーリアス》の中に,敵対する2人の戦士が,互いの先祖がもてなしによって結ばれた関係にあることを知ると,ただちに戦いをやめるという有名なエピソードがあるが(詳しくは後述),それなどはホメロスの時代のギリシアにおいて,もてなしの紐帯(ちゆうたい)が〈相続〉されるものであったことを物語るものであろう。シンボルsymbolという今日では象徴一般を意味する語は,そのもとをたどれば古代ギリシア語のシュンボロンsymbolonであり,これはもてなしによって結ばれた紐帯の〈しるし〉として主人が客人に与えた指輪や硬貨の半片を指したといわれるが,そのような〈シンボル〉も家系をたどって子孫に伝えられたのである。 また,飲食,宿舎,衣類など,客に分け与えられるもののうち,とくに飲物と食物はもてなしにとって本質的な意義をもっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」