母島(読み)ハハジマ

デジタル大辞泉 「母島」の意味・読み・例文・類語

はは‐じま【母島】

東京都小笠原諸島中の母島列島の主島。父島列島の南に位置する。標高463メートルの乳房山がある。

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日本歴史地名大系 「母島」の解説

母島
ははじま

母島列島の中心島で、面積二〇・八平方キロ。最高峰乳房ちぶさ山で標高四六二メートル。さかいヶ岳(四四三メートル)がこれに次いでいる。島は南北に長く、北にきた港、東に東港、南におき港があり、唯一の集落沖港を擁する沖村である。かつて北港を擁していた北村は、第二次世界大戦で事実上廃村になった。延宝三年(一六七五)の幕府調査船、文久年度の幕府調査船は島の測量などを行っている。文政七年(一八二四)英船籍の捕鯨船トランシット号(船長は米人のコッフィン)が来島し、沖港をコッフィン港と命名、同一〇年には英国官船ブロッサム号(艦長ビーチー)が来島し、ベーリー島と命名した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「母島」の意味・わかりやすい解説

母島
ははじま

東京都小笠原諸島(おがさわら)の母島列島の主島。小笠原諸島中父島に次ぐ第二の島。小笠原支庁小笠原村に属する。面積20.2平方キロメートル。第三紀に活動した海底火山堆積(たいせき)物がのちに隆起してできたもので、島の中央に最高峰の乳房山(ちぶさやま)(463メートル)がある。地質は主として安山岩、玄武岩類の火山岩で、一部にサンゴ石灰岩地帯がある。亜熱帯性気候のため、自生する植物も128種のうち86種もの固有種が認められている。動物も多様で、透明度の高い海中景観もみごとであり、全島にみられる海食地形や東部カルストなどとともに優れた自然を形成している。南北に縦貫道路が通り、南の沖港が母島の玄関口で、周りに小笠原支庁母島出張所、村役場出張所がある。島唯一の集落、民宿、旅館も沖港を囲むようにしてある。父島との連絡船もここに到着する。人口430(2009)。

[菊池万雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「母島」の意味・わかりやすい解説

母島
ははじま

東京都小笠原諸島南部にある母島列島最大の島。小笠原支庁小笠原村に属する。乳房山(463m)を頂点に丘陵性を示す。かつて西部ではサトウキビが栽培された。海岸断崖をなすが,東港,北港,沖港などの錨地がある。東港は父島の二見港とともに諸島中の良港。小笠原国立公園に属する。集落近郊を除く陸域と周辺海域が 2011年世界遺産の自然遺産に登録された。面積 20.21km2。人口 430(2000)。

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世界大百科事典(旧版)内の母島の言及

【小笠原諸島】より

…伊豆諸島の南方,太平洋上にある聟島列島父島列島母島列島硫黄列島(火山列島),西之島南鳥島沖ノ鳥島の小島を含む島嶼(とうしよ)群。全域が東京都小笠原支庁小笠原村に属し,行政中心は父島の大村で,東京都小笠原支庁がおかれ,母島に出張所がある。…

【母島列島】より

…東京都小笠原支庁小笠原村に属する。北緯26゜32′~43′,東経142゜07′~15′に位置し,最大の母島(面積21km2)を中心に姉島,妹島,姪島,向島,平島などの小島からなり,総面積28km2。古第三紀の海底火山が隆起,開析されたもので,周囲は高い海食崖に囲まれる。…

※「母島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」