正丁(せいてい)(読み)せいてい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「正丁(せいてい)」の意味・わかりやすい解説

正丁(せいてい)
せいてい

大宝令(たいほうりょう)および養老(ようろう)令で定められた成年男子に対する呼称で、21歳から60歳までの男子で、身体上の障害のない者をいう。のち757年(天平勝宝9)4月には22歳以上とし、さらに758年(天平宝字2)7月には22歳から59歳までを正丁とすることとした。この正丁であるかどうかの判定は、毎年つくられる計帳および6年ごとにつくられる戸籍によって行われ登録された。調庸(ちょうよう)、雑徭(ぞうよう)、兵役の負担など課役の対象となった。調庸の租税の額は正丁1人を基準として定め(賦役(ぶやく)令)、中男(ちゅうなん)、老丁(ろうてい)などは正丁の額の何分の1かを負担することになっていた。正丁の制度は戸籍計帳の制度が崩れる10世紀ごろまで続いたが、以後消滅していくこととなった。

[鬼頭清明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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