精選版 日本国語大辞典 「柏崎」の意味・読み・例文・類語
かしわ‐ざき かしは‥【柏崎】
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新潟県中央部,日本海に臨む市。2005年5月旧柏崎市が高柳(たかやなぎ)町,西山(にしやま)町を編入して成立した。人口9万1451(2010)。
柏崎市中央部の旧市。米山(993m)北東麓にあり,柏崎平野の中心をなす商工業都市。1940年柏崎町と比角(ひすみ),大洲,枇杷島(びわじま),鯨波(くじらなみ)の4村が合体,市制。人口8万8418(2000)。市街地は鵜川の河口に臨み,4列の海岸砂丘に立地している。北陸街道の宿駅に起源をもち,中世は越後上布,青苧(あおそ)の集散地として重きをなした。近世は佐渡鉱山の金の輸送路の宿駅として,また縮(ちぢみ)行商の中心地として栄えた。近代都市としての発展は西山油田の開発とともに始まり,油田が全盛期を迎える明治中期から昭和初期にかけて精油業が急速に発達し,日本石油(現,新日本石油)の製油所,理研ピストンリング(現,リケン)の工場などが誘致された。また1897年に信越本線が開通し,1913年には越後線(柏崎~新潟)が全通した。第2次大戦後は機械工業が発展し,62年柏崎機械金属工業団地が形成され,次いで柏崎臨海工業団地,北斗機械金属工業団地が誕生した。68年発見の吉井ガス油田,東柏崎ガス油田は市に活気を与えた。北陸自動車道が開通し,近年は電気機器工業が盛んになり,95年の工業出荷額で一般機械を抜いて,市の35%を占めている。工業の発展は港の整備を促進し,71年番神岬の柏崎港が国際貿易港として開港し,木材,石油,鉱物を輸入,精製・加工して移出している。北陸自動車道のインターチェンジがある。米山とその北麓の福浦海岸(福浦八景)は佐渡弥彦米山国定公園に含まれ,自然休養村,国民休養地が設けられ,また鯨波を中心とする海岸へは中越地方などから多くの海水浴客が訪れる。6月14~16日の閻魔市は馬市から始まったと伝えられるが,草花商,金魚商が集まり,市最大の年中行事である。市北部の頸城(くびき)砂丘で東京電力の原子力発電所(柏崎刈羽原子力発電所)が85年9月運転を開始した。
執筆者:磯部 利貞
中世以降は北陸街道の宿駅として栄え,《廻国雑記》《梅花無尽蔵》に見えている。戦国期には守護上杉氏の被官,宇佐美氏によりその居城として琵琶島城が築かれた。近世初めには高田藩の刈羽郡奉行の支配所が置かれた。1681年(天和1)松平光長の改易後は一時天領となったが,その後は酒井・松平両氏の高田藩領,白河藩領,桑名藩領の飛地として大久保に置かれた柏崎陣屋の支配を受けた。桑名藩領時代の1837年(天保8)6月には生田万(よろず)の乱がおこり陣屋が襲撃されている。文化・文政期(1804-30)以降,縮行商によって町に活況を生じ,明治維新後柏崎県が置かれた。
執筆者:土田 隆夫
柏崎市南端の旧町。旧刈羽郡所属。人口2502(2000)。東頸城(ひがしくびき)丘陵中にあり,旧柏崎市で日本海に注ぐ鯖石川上流に位置する。中心地岡野町は近世,柏崎と信州を結ぶ街道の宿場町であった。山間の棚田に依存した農山村で,農業就業者は3割強を占める。県内でも有数の豪雪地のため出稼ぎが多い。過疎化も著しく,1960-80年に人口は半減した。1972年に柏崎市と小出町(現,魚沼市)を結ぶ国道252号線の山中トンネルが完成し,無雪道路化もすすめられ,工場も進出している。近年は旧柏崎市等への通勤者が増加している。岡野町の貞観園はもと大庄屋村山家の庭園で,薬師如来像(重要文化財)など美術品も多く所蔵し,国の名勝に指定されている。
柏崎市北端の旧町。旧刈羽郡所属。人口6976(2000)。西山丘陵の南西部にあり,中心集落西山は柏崎平野北端に位置する。明治末から昭和初期にかけて,日本最大級の西山油田が全盛を極め,最盛期には国産石油の50%を占めた。油田は別山川と日本海にはさまれた砂丘地帯に分布し,1881年には町内の石地に日本石油会社が設立され,日本の近代石油業発祥の地となった。現在は天然ガスの採集が行われ,町内のみならず旧柏崎市,刈羽村の一部にも供給している。別山川沿いの内陸平野部には兼業農家が多く,八珍柿が特産。木材加工,電子部品工場が誘致されている。灌漑用の溜池ではニシキゴイの養殖も盛んである。日本海に面した石地はかつては北陸街道の宿場町で,大崎とともに海水浴でにぎわう。北陸自動車道の西山インターチェンジがあり,JR越後線,国道116号線が通じ,旧柏崎市,長岡市への通勤者も多い。
執筆者:佐藤 裕治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
能の曲目。四番目物。五流現行曲。狂女物屈指の大曲。難曲でもある。越後(えちご)国(新潟県)柏崎の領主の妻(シテ)は、臣下の者(ワキ)から、鎌倉での夫の客死と、一子花若の出家の報を聞く。狂女となった妻(後シテ)は、善光寺に詣(もう)で、夫の形見を仏に捧(ささ)げ、舞の名手でもあった夫を恋い慕いつつ追善の舞を舞う。花若(子方)がこの寺で修行をしており、親子は互いに変わる姿にあきれつつも、再会を喜びあって終わる。シテの面は深井または曲見(しゃくみ)。榎並(えなみの)左衛門の作を世阿弥(ぜあみ)が改作した能。「悪き所をば除き、よきことを入られければ、皆世子(ぜし)(世阿弥)の作なるべし」と『鵜飼(うかい)』とともに『申楽(さるがく)談儀』に記述がある。世阿弥自筆能本も現存する。
[増田正造]
血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...
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