書取(読み)かきとり

精選版 日本国語大辞典 「書取」の意味・読み・例文・類語

かき‐とり【書取】

〘名〙
① 文字、音声などによる文章言語などを書きうつすこと。また、その文書
公議所日誌‐一一・明治二年(1869)四月「会社を結候趣意規則等、書取を以て双方より政府へ為願」
雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「起文館で演説をしたことがあって、其の書取りを持って居りますから」
② 音声による言葉、または仮名で書いてある文字を漢字に直すこと。
百鬼園随筆(1933)〈内田百〉梟村漫筆「どこかの教場の書取の答案が」
③ 学習や試験のために朗読された語句や文章を書きうつすこと。多く、外国語の場合にいう。

かき‐と・る【書取】

〘他ラ五(四)〙 他の人の言うことや文章、語句などを書き写す。また、写生する。
万葉(8C後)二〇・四三二七「わが妻も絵に可伎等良(カキトラ)む暇(いつま)もが旅行く吾(あれ)は見つつしのはむ」
草枕(1906)〈夏目漱石〉一三「余は写生帖を出して、二人の姿を描き取った」

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