精選版 日本国語大辞典 「音声」の意味・読み・例文・類語
おん‐じょう ‥ジャウ【音声】
〘名〙
① 人や動物の声。また、節をつけて唱えたり歌ったりする声。おんせい。
※田氏家集(892頃)上・山寺聴鶯「音声軟弱太嬌レ春、山寺聞時感更頻」
② 「おんじょうよく(音声欲)」の略。
※仮名草子・竹斎(1621‐23)上「めんしゃう、けいじつ、せんはく、さいこつ、ゐぎ、をんじゃうとて、これを六欲と申候」
③ 雅楽の管弦の音。また、楽器、鐘などの音。音色(ねいろ)。
※霊異記(810‐824)上「和泉の国の海中に楽器の音声有り」 〔周礼‐地官・鼓人〕
おん‐せい【音声】
〘名〙
① 人の声。おんじょう。いんしょう。おんぞう。
※歌謡・松の葉(1703)五「歌の事、音声(オンセイ)ゆたかにして、始終たるまぬやうにうたふこと第一なり」 〔宋玉‐登徒子好色賦〕
② 雅楽で楽器の音をいう。音色(ねいろ)。おんじょう。
※開化の入口(1873‐74)〈横河秋濤〉下「イーヤ舌が短かいの、音声(ヲンセイ)が違がってゐるのと」
いん‐せい【音声】
〘名〙 (「いん」は「音」の、「せい」は「声」の漢音) 声。おんせい。
※文明本節用集(室町中)「音声 インセイ」
※歌謡・松の葉(1703)序「是一より二を生じ、二より三を生じ、三より万物のいんせいを生ずる理いたれり」
おん‐ぞう ‥ザウ【音声】
※栄花(1028‐92頃)駒競の行幸「いとめでたう尊くて、塔の内の二世尊の出し給ふところのおんざうとも思なされ給ふ事限りなし」
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