デジタル大辞泉
「日暮」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ひ‐ぐらし【日暮】
[1] 〘名〙
① (古くは「ひくらし」) 一日を過ごすこと。一日中。終日。ひねもす。また、副詞的に用いて、朝から晩まで。
※
万葉(8C後)一三・
三三二四「煙立つ 春の日暮
(ひくらし) 真澄鏡
(まそかがみ) 見れど飽かねば 万歳に」
※
徒然草(1331頃)序「つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて」
② その日その日の収入で、やっと暮らして行くこと。その日暮らし。
※文学読本・理論篇(1951)II・現代日本小説〈
平野謙〉「ホテルの女ボーイや女給などしながら日暮しをたて」
③ 味噌をいう。
※庭訓往来抄(1631)「公卿殿上人は、味噌をひぐらしと宣ふ也。雑人中人の詞にみそを虫と云也」
④ (「蜩」「茅蜩」とも)
カメムシ(半翅)目
セミ科の
昆虫。
はねの端まで全長四~五センチメートル。体は赤褐色または栗色で、緑と黒の斑紋がある。はねは透明。雄の腹部側方にはイボ状突起が一対ある。早朝・
夕方および曇天時に「カナカナ」と高い金属音をたてて鳴く。北海道南部以南、朝鮮、中国に分布し、丘陵地の
林間に多い。成虫は六月下旬から九月上旬にかけて発生。古くから人に知られ、歌などによく詠まれる。かなかなぜみ。かなかな。《季・秋》
※万葉(8C後)一五・三五八九「夕されば比具良之(ヒグラシ)来鳴く生駒山越えてそ吾が来る妹が目を欲り」
[2]
[一] 江戸の
地名、
日暮里(にっぽり)(=東京都台東区)の異称。「日暮」を訓よみしたもの。ひぐらしの里。
※咄本・友だちばなし(1770)「片目とちんばと、鼻かけと、三人つれ立ち、日ぐらしへ出かけしが」
[二] 近世初期の
上方で、鉦
(かね)を首にかけ、
念仏踊、
浄瑠璃、説経などの
詞章をうたい歩いた門付が、姓のように称していたもの。
寛文(
一六六一‐七三)頃、
歌念仏の日暮林清、
説経浄瑠璃の日暮小太夫などが知られた。
ひ‐ぐれ【日暮】
〘名〙 (「ひくれ」とも)
① 日の暮れようとする時。くれがた。
夕暮れ。夕方。
※石山寺本瑜伽師地論平安初期点(850頃)三三「
日晩(ひクレ)に、或は夜分乃至明日に」
にち‐ぼ【日暮】
〘名〙 ひぐれ。ゆうがた。くれがた。
※
文華秀麗集(818)下・山寺鐘〈仲雄王〉「古寺館東山翠下、日暮噭咷響疎鐘」 〔孟浩然‐送杜十四之江南詩〕
じつ‐ぼ【日暮】
〘名〙 くれがた。ひぐれ。夕方。にちぼ。
※日葡辞書(1603‐04)「Iitboni(ジツボニ) ノゾム」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「日暮」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
日暮 (ヒグラシ)
学名:Tanna japonensis
動物。セミ科の昆虫
日暮 (ヒグラシ)
植物。マメ科の落葉小高木,園芸植物,薬用植物。ネムノキの別称
日暮 (ヒグラシ)
植物。シソ科の多年草,園芸植物,薬用植物。ウツボグサの別称
日暮 (ヒグラシ)
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報