日の出
ひので
中国の劇作家曹禺(そうぐう)の四幕戯曲。1935年発表、翌年上海(シャンハイ)の戯劇工作社により初演。旧上流社会の退廃した生活を題材に、暗黒面を暴露し将来に希望を託した近代劇の代表的作品。投機金融家、有閑マダム、甘い汁を吸うダニ、解雇された銀行員、底辺の売春婦など、旧社会の横断面が描写される。
1930年代の経済恐慌期、社交界の花、陳白露(ちんはくろ)は大都会のホテル住まい。旧友方達生(ほうたつせい)が生活の一新を勧める。白露は部屋へ逃げ込んだ少女を一度は救うが、黒い魔手はこの娘の生存権を奪う。
パトロンは倒産、いま方達生も去る。自由、正義を憧憬(しょうけい)する白露だが、虚偽の生活、滅び去る社会に身を置き、このジレンマに生きる力を失う。「陽が昇り闇(やみ)は取り残された。だが太陽は私らのものではない、やがて私らは眠りにつく」。日本では1956年(昭和31)稲の会初演、81年に劇団民芸(内山鶉訳・演出)で上演された。
[中野淳子]
『松枝茂夫訳『日出』(『中国の革命と文学4 老舎、曹禺集』所収・1972・平凡社)』
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デジタル大辞泉
「日の出」の意味・読み・例文・類語
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日の出
オーストリアの作曲家ヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲第78番(1797)。原題《Sonnenaufgangsquartett》。エルデーディ四重奏曲の一つ。名称は第1楽章の冒頭が日の出の様子を連想させることに由来する。
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日の出
ひので
sunrise
地上で見て,太陽の上縁が東の地平線に接すること。大気差のため太陽の位置は角度で約 35′,実際より上に見えるため,東京(北緯 35°41′)では実際より約 4~5分早い。(→日の入り)
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ひので【日の出】
奈良の日本酒。蔵元の「岡野酒造」は大正4年(1915)創業。所在地は宇陀郡御杖村神末。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
世界大百科事典内の日の出の言及
【太陽】より
…この傾きのために温帯では太陽の高度が夏は高く冬は低く,季節の変化が生ずる。同時に日の出,日の入りの方位も大きく変化し,日本では太陽は東西方向に対して30゜も夏は北寄りに,冬は南寄りに出入する。このために夏は日が長く,冬は短い。…
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