日の出町(読み)ひのでまち

日本歴史地名大系 「日の出町」の解説

日の出町
ひのでまち

面積:二八・〇八平方キロ

青梅おうめ市の南、あきる野市の北に位置する。西多摩郡の四ヵ町村では中ほどにあたる。北西部に日の出山(九〇二メートル)麻生あそう(七九四メートル)などがあり、これらを水源とする平井ひらい川が町域東部で北大久野きたおおぐの川と合流してあきる野市域へと東流する。平井地区の南岸側には秋留あきる台地が広がっている。

〔古代・中世・近世〕

平井地区に縄文時代の岳の上たけのうえ遺跡があり、同中期・後期の住居跡が検出された。また同遺跡では弥生時代中期の壺も発見されている。この東方の三吉野みよしの遺跡群では竪穴住居跡が一〇〇軒以上確認されたほか、古代から中世にわたる多数の土坑や、小川おがわ牧に関連するとされる区画溝などが検出されている。令制下では多摩郡に属した。西部の大久野郷の勝峰かつぼう(勝雄山)にある山城跡には平将門の伝承があり、秩父へ通ずる古道には将門坂と称する場所がある。室町期、多摩地方の豪族三田氏が将門の末裔を称していたことから将門にちなんだ伝説地の一つであろう。北西部の肝要かんよう武蔵御嶽むさしみたけ神社(現青梅市)へ通ずる中世の旧参道尾根道の入口で、神入が訛ったものとされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日の出町」の意味・わかりやすい解説

日の出〔町〕
ひので

東京都西部にある町。青梅市の南に位置する。 1955年大久野村平井村が合体し日の出村となる。 74年町制。日の出山東麓に源を発する多摩川支流,平井川が南東流し,その流域集落が散在する。かつては林業と農業が主産業であったが,木材加工業や町外への就業者が増加している。幸神 (さちがみ) 神社のシダレアカシデ (天然記念物) ,大久野のフジ白岩の滝,大久野川の渓谷などの景勝がある。北西部の日の出山東麓一帯は,秩父多摩甲斐国立公園に属する。面積 28.07km2。人口 1万6958(2020)。

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