放送倫理・番組向上機構(読み)ほうそうりんりばんぐみこうじょうきこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「放送倫理・番組向上機構」の意味・わかりやすい解説

放送倫理・番組向上機構
ほうそうりんりばんぐみこうじょうきこう

テレビ・ラジオ番組に対する視聴者からの苦情を受け付け、当該番組の審査を行う組織。日本放送協会(NHK)や日本民間放送連盟民放連)などが出資、運営する民間任意団体で、英語名のBroadcasting Ethics & Program Improvement Organizationから一部の頭文字を組み合わせてBPOとも称する。機構には、(1)放送倫理と番組の向上、虚偽の放送に関する審議・審理を行う「放送倫理検証委員会」、(2)放送による名誉・プライバシー・肖像等の権利侵害に関する申立てを審理する「放送と人権等権利に関する委員会」、(3)放送と青少年に関する視聴者意見の把握と課題の審議、調査研究を行う「放送と青少年に関する委員会」の三つの委員会がある。それぞれの委員会で、外部有識者から集められた委員が審査を行い、必要があれば放送局に対して勧告を行う。

 1969年(昭和44)設置の「放送番組向上協議会」、1997年(平成9)設置の「放送と人権等権利に関する委員会機構」などが2003年(平成15)7月に統合して発足した。誤報、偏向報道に対する政府からの不信感が高まり、放送法を改正して規制を強めようとする動きがみられたなかで、放送界が自主的に問題を解決する力があることを示し、直接的な政府介入を防ぐ目的をもっていた。2007年に関西テレビ『発掘!あるある大辞典Ⅱ』で起きたデータ捏造(ねつぞう)問題、2009年に日本テレビ『真相報道バンキシャ!』で起きた虚偽証言報道問題などでは一定役割を果たした。

[編集部]

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知恵蔵 「放送倫理・番組向上機構」の解説

放送倫理・番組向上機構

BPO」のページをご覧ください。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「放送倫理・番組向上機構」の意味・わかりやすい解説

放送倫理・番組向上機構
ほうそうりんり・ばんぐみこうじょうきこう
Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization

日本放送協会 NHKと日本民間放送連盟によって設立された第三者機関。略称は放送倫理機構 BPO。放送事業の公共性と社会的影響を考え,「視聴者の基本的人権」を擁護するため放送倫理の向上に努め,番組水準の向上に寄与することを目的とする。1969年に発足した放送番組向上協議会,1997年に設置された放送と人権等権利に関する委員会機構 BROを統合し,2003年に設置された。放送と人権等に関する委員会,放送と青少年に関する委員会,放送倫理検証委員会からなる。東京都千代田区に事務局を置き,理事会,評議員会を設置して維持・運営を行なう。

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百科事典マイペディア 「放送倫理・番組向上機構」の意味・わかりやすい解説

放送倫理・番組向上機構【ほうそうりんりばんぐみこうじょうきこう】

2003年7月に,放送倫理や番組の質的向上をめざして設立された組織。略称BPO。NHKおよび民放各社が加盟。従来独立して存在していた〈放送と人権等権利に関する委員会(BRC)〉〈放送と青少年に関する委員会〉,および1969年に設置されていた〈放送番組向上委員会〉の流れを汲む〈放送番組委員会〉を一本化したもので,視聴者からの苦情を受け入れる窓口が一つに統一されたことになる。苦情に対する迅速な対応をめざすとともに,各放送局に対して,改善状況を委員会に報告することを義務づけた。

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