換喩(読み)カンユ

デジタル大辞泉 「換喩」の意味・読み・例文・類語

かん‐ゆ〔クワン‐〕【換喩】

比喩法の一。ある事物を表すのに、それと深い関係のある事物で置き換える法。「青い目」で「西洋人」を、「鳥居」で「神社」を表す類。メトニミー
[類語]直喩隠喩引喩諷喩寓意寓話比喩たとえ形容擬人象徴比況縮図たとえば明喩暗喩寓喩提喩・声喩・メタファーアレゴリー

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精選版 日本国語大辞典 「換喩」の意味・読み・例文・類語

かん‐ゆ クヮン‥【換喩】

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百科事典マイペディア 「換喩」の意味・わかりやすい解説

換喩【かんゆ】

ものごとの隣接性に基づいた比喩。英語ではmetonymy隠喩が,異なる属性を持つ二つのものに等価関係を設定し,あるものに別の属性を与える表現法なのにたいし,換喩は,あるものを,そのものの属性,またはそれに密接な関係のあるもので表現する修辞法を指す。この関係性には,容器中身(〈皿で料理〉),原因結果(〈ゴッホでゴッホの作品〉),具体物で抽象物(〈永田町政界〉)を表すなどの場合がある。→比喩

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「換喩」の意味・わかりやすい解説

換喩
かんゆ
metonymy

ある物を言い表わす場合に,その物の属性や,それに関連の深い物をもって言い換えて,その本体の物を表わす方法。たとえば,fur and feather (毛と羽) といって鳥獣を表わしたりすること。フランス語の bureauは,初め毛織物一種意味し,のちその織物をかぶせた机を意味するようになり,さらにその机を置く部屋も示すようになった。このように,換喩が単語の意味の変化を導くことは多い。

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普及版 字通 「換喩」の読み・字形・画数・意味

【換喩】かんゆ

比喩。

字通「換」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の換喩の言及

【演劇】より

…逆に,A.アルトーが残酷演劇の一要素として主張した,文字どおりに演戯が攻撃的に観客を取り囲む形は,もはや見ること自体の破壊であり,演劇を呪術的な〈行為〉に変貌させようとする。 ともあれ,舞台上に見せられているものがそのままで全体の縮図,あるいは全体に重なるものだという関係(それを修辞学では隠喩(メタフォールあるいはメタファー)の関係という)であるか,それともそこに見せられているものは部分であり,部分から全体を,見る側が構成する必要がある関係(換喩(メトニミー)の関係)であるかという対比が存在することは指摘しておいてもよいだろう。この二つの関係は,演戯や舞台形象のあり方にもかかわるものであり,たとえば装置や衣装の全体を本物らしく作るか,一部をきわめて質感の厳密な本物にするか,といった対比である。…

【比喩】より

…そういう多様な〈ことばのあや〉のうちで,とくに語の意味を変様させる表現形式は〈転義trope〉と呼ばれ,特別あつかいで詳細に研究されていた。〈転義〉は,後述するような隠喩,換喩,提喩,諷喩などを一括する総称であり,結果的には〈比喩〉ときわめて近い用語である。何かを何かになぞらえるという趣旨の〈比喩〉と,語の意味を転じてもちいるという趣旨の〈転義〉は,概念のなりたちは異なるけれど,実際にはほとんど同じ言語現象をさしているし,じっさい,現代日本語としての〈比喩〉もまた,たいていは直喩や隠喩,換喩などに分類されて説明される。…

※「換喩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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