精選版 日本国語大辞典 「手掛・手懸」の意味・読み・例文・類語
て‐かけ【手掛・手懸】
〘名〙 (「てがけ」とも)
① 手をかけておくところ。椅子(いす)などの手をかけるところ。
② 器具などの、持つのに便利なようにとりつけたあなや金物。
③ みずから手を下して扱うこと。自分で事に当たること。
④ (手にかけて愛する者の意から。「妾」とも書く) めかけ。そばめ。側室。妾(しょう)。てかけもの。てかけおんな。てかけあしかけ。
※玉塵抄(1563)二一「武士が死る時にその手かけの女を人によめらせたぞ」
※仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上「さて秀次の〈略〉、御てかけの上臈を車に乗せ奉り」
て‐がかり【手掛・手懸】
〘名〙
① 手を掛ける所。とりつく所。〔文明本節用集(室町中)〕
※浄瑠璃・曾我虎が磨(1711頃)上「手がかりもなき野面(づら)の石」
② 手をつけるいとぐち。調べたりするためのいとぐちとなるもの。
④ =ほうらい(蓬莱)(二)②
※壺の石文(1698)躾形之帖「正月 手掛(テガカリ)の図 蓬莱ともいふ」
て‐が・ける【手掛・手懸】
〘他カ下一〙 てが・く 〘他カ下二〙
※怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一八「かふ云ふ病人を二度ほど先生の代脈で手掛けた事があるが」
② 世話をする。面倒をみる。養成する。特に、女性と関係を持ち、世話をすることにもいう。
※史記抄(1477)一三「父の手がけられた者を妻にするぞ」
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