戸倉関所跡(読み)とくらせきしよあと

日本歴史地名大系 「戸倉関所跡」の解説

戸倉関所跡
とくらせきしよあと

[現在地名]片品村戸倉

会津街道の上野側最北に置かれた関所。同街道は追貝おつかい伊香原いかはら(現利根村)を経て下平しもだいら筑地ついじ菅沼すがぬま東小川ひがしおがわ土出つちいでと北上、当地から尾瀬おぜ沼を通って会津檜枝岐ひのえまた(現福島県南会津郡檜枝岐村)に至った。当地から会津領へは尾瀬沼まで四里、さらに檜枝岐まで四里の山中の道である。会津への裏街道であるため武士の通行はなく、庶民の往来と物資輸送の人馬が通る程度であった。

当関所の勤番を勤めた星野・松浦両家が慶応三年(一八六七)関所に提出した関所掟并明細返答書(松浦文書)に、「上州戸倉御関所之儀、慶長五(中略)、私先祖星野市之丞上州利根郡土出村ニ住居罷在候節、米沢上杉景勝公敵対之族罷越候之由、(中略)下野日光山・奥州・越後・上州右四ケ国境目堅メとして、御関所被立置」とあり、天和元年(一六八一)の郷村品々記録(小林文書)に、「戸倉村番所 番頭星野市之丞 右村百姓順番ニ而、弐人宛下番相勤申候、但百姓役目を除為相勤申候」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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