普及版 字通 「弟(漢字)」の読み・字形・画数・意味
弟
常用漢字 7画
[字訓] しだい・おとうと
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
皮(なめしがわ)の紐でものを束ねた形。〔説文〕五下に「束の第なり。古字の象に從ふ」とあり、次第してものを締結する意。のち兄弟の意に用いる。第は後起の字である。
[訓義]
1. 次第、順序、次第して束ねる。
2. おとうと、としした、としわか、自己の謙称。
3. すなお、つつしむ。
4. 悌と通じ、やすらか、たのしい。
5. 但と通じ、ただ。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕弟 男子後生を弟と爲す。於止宇度(おとうと) 〔名義抄〕弟 ヲトウト・ツイデ・シバラク・ヤスシ・ツギ 〔字鏡集〕弟 ヲト・シバラク・ツギ・タダ・ツイデ・オトト・サイハヒ・ヤスシ
[部首]
〔説文〕に(こん)の一字を属し、〔玉〕に第を加える。は(とう)(涙の象形)に従う。鰥(かん)(老いて妻無きもの)がに従うのと同じ構造法である。〔説文〕五下に「の人、兄を謂ひてと曰ふ」とあり、のち昆を用いて昆弟という。
[声系]
〔説文〕に弟声として睇・・涕・・など九字を収める。次第の意をもつ字が多い。
[語系]
弟・・悌dyeiは同声。は女弟。兄弟に善きを悌という。遲(遅)dieiは同系の語であろう。
[熟語]
弟舎▶・弟恭▶・弟兄▶・弟敬▶・弟昆▶・弟子▶・弟長▶・弟靡▶
[下接語]
愛弟・家弟・外弟・豈弟・凱弟・季弟・義弟・兄弟・賢弟・孝弟・高弟・昆弟・子弟・師弟・舎弟・従弟・順弟・諸弟・小弟・仁弟・宗弟・弟・大弟・長弟・徒弟・不弟・母弟・門弟・友弟・令弟
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報