普及版 字通 「常(漢字)」の読み・字形・画数・意味
常
常用漢字 11画
[字訓] つね・かつて
[説文解字]
[金文]
[その他]
[字形] 形声
声符は(尚)(しよう)。〔説文〕七下に「下(かくん)なり」とし、重文として裳を録する。いまは区別して用いる字である。常は一定幅の巾。金文にを常時の意に用い、〔鼎(こつてい)〕に「必ず(つね)に厥(そ)の邑に處(を)らしめよ」、また〔因敦(いんしたい)〕に「永く典と爲せ」のように用いる。嘗と通用し、「かつて」と訓することがある。
[訓義]
1. つね、つねに、ひさしい。
2. さだめ、のり、かわらぬ。
3. ひごろ、おおむね。
4. 嘗と通じ、かつて。
5. 長さの単位、尋の倍、尋は左右の手を広げた長さ、尋常。
6. はた、太常。
7. 裳と通じ、もすそ。
8. 祥と通じ、忌明けの祭り。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕常 ツネニ・ツヒニ・スガタ・トキハ・レイ/非常 メヅラシ・ハナハダシ・アヤフシ/異常 ハナハダシ 〔立〕常 ノリ・トコトハ・コトハ・レイ・トコハカ・ココロヒク・トコシナヘ・モチヰ
[語系]
常・裳zjiangは同声。常は太常、天子の旗。裳は衣に対して下。いずれも常幅のものを用いる意であろう。・嘗zjiangも同声。金文にを常時の意に用いる。「嘗(かつ)て」の意は、おそらく嘗試することを終えることからの転義。常・曾の字をも、その義に用いる。
[熟語]
常位▶・常佳▶・常価▶・常娥▶・常懐▶・常格▶・常額▶・常玩▶・常軌▶・常紀▶・常▶・常義▶・常客▶・常旧▶・常居▶・常御▶・常業▶・常均▶・常経▶・常刑▶・常形▶・常計▶・常憲▶・常故▶・常語▶・常行▶・常骨▶・常祭▶・常歳▶・常算▶・常▶・常師▶・常祀▶・常次▶・常事▶・常時▶・常式▶・常識▶・常儒▶・常羞▶・常住▶・常準▶・常処▶・常賞▶・常状▶・常常▶・常情▶・常職▶・常心▶・常人▶・常数▶・常生▶・常制▶・常青▶・常勢▶・常饌▶・常然▶・常膳▶・常宗▶・常操▶・常則▶・常態▶・常談▶・常秩▶・常棣▶・常典▶・常途▶・常度▶・常套▶・常道▶・常馬▶・常班▶・常備▶・常品▶・常服▶・常分▶・常辟▶・常奉▶・常俸▶・常法▶・常民▶・常務▶・常用▶・常庸▶・常理▶・常緑▶・常倫▶・常類▶・常例▶・常礼▶・常隷▶・常論▶
[下接語]
異常・居常・経常・故常・五常・恒常・綱常・尋常・正常・大常・通常・天常・典常・日常・非常・不常・平常・無常・庸常・倫常
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報