岡田駅(読み)おかだのえき

日本歴史地名大系 「岡田駅」の解説

岡田駅
おかだのえき

古代東海道の駅。「延喜式」兵部省に二〇疋の駅馬を備える駅として登載。かつては東海道と東山道の分岐駅であるとみる説が有力で、草津市追分おいわけ町に想定されていた。昭和五〇年(一九七五)追分町の集落北で、官衙的な建物配置をもつ奈良・平安時代の遺跡である岡田追分遺跡が検出された。また同五五年には同市野路のじ町岡田で古代の野路岡田遺跡が検出され、いずれも岡田駅跡と考えられた。後者は岡田という地名にあたるため注目されたが、両遺跡とも駅跡であることを示す考古学的徴証を欠いた。岡田駅が東海道と東山道の分岐駅であった文献上の証拠もなく、次の甲賀駅、さらに伊勢国鈴鹿駅も駅馬二〇疋であることから、当駅も東海道のみの駅とみるほうが妥当である。

岡田駅
おかだのえき

奈良時代の東海道の駅。平城遷都の翌年にあたる和銅四年(七一一)に新設された。「続日本紀」同年正月二日条に「始置都亭駅・山城国相楽郡岡田駅(下略)」とみえる。

その位置について「山城名跡巡行志」はきた村にあるとし、「大日本地名辞書」は木津町大字木津町きづまちを比定している。最近の研究によれば、木津川に沿って伊賀国に延びる東海道の駅として「延喜式」神名帳や「山城国風土記」逸文などにみえる岡田鴨おかだかも神社のある岡田郷の地すなわち加茂町中央部で木津川南岸の平地、大字北辺りとされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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