朝日日本歴史人物事典 「山下金作(初代)」の解説
山下金作(初代)
生年:生年不詳
江戸中期の歌舞伎役者。俳名里虹。立役の初代山下又四郎の門弟,のちにその養子となる。宝永6(1709)年大坂で若女形として初舞台。評判記で初めて上上吉の位を得た享保8(1723)年に江戸へ下り,ここでも人気を博した。14年以降は再び上方で活躍,養父の死の翌元文2(1737)年に2代目又四郎を襲名して立役に転向した。しかし不評のため2年後に名前も役柄も元に戻した。寛延1(1748)年に引退し,翌年養子に名を継がせた。時代物,世話物,舞踊と,得意芸は幅広かった。2代目は東西で活躍したが,3代目以降は上方の人。いずれも若女形で,明治期の6代目におよんだ。<参考文献>『日本庶民文化史料集成』6巻
(池山晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報