実成寺(読み)じつじようじ

日本歴史地名大系 「実成寺」の解説

実成寺
じつじようじ

[現在地名]会津若松市大町二丁目

おお名子屋なごや町の西側で、融通ゆつう寺の北隣、西の奥にある。久遠山と号し、日蓮正宗本尊は十界互具の大曼荼羅。嘉元二年(一三〇四)玉野阿闍利日尊が、郭内米代四之よねだいしの丁に法華堂という小堂を建てたことに始まる。文禄元年(一五九二)柳原やなぎはら村の庵に移ったが、元和九年(一六二三)領主蒲生忠郷に願出て、現在地に移って開山した。「新編会津風土記」に、「当寺建立の棟札によれば、藤原実成建立の寺故、寺号をもこれを用ゐしと見ゆ」と記されるが、この人物がどういう人であったかは明らかでない。

実成寺
じつじようじ

[現在地名]熊本市横手一丁目

妙永みようえい寺の寺地内にあり、かつては妙永寺の寺内末寺であった。万歳山と号し、日蓮宗、本尊南無釈迦牟尼仏。「国誌」に「清正侯ノ叔父古橋氏法名実成院受得日慶冥福ノ為メ慶長年中建立之、開山南正院日助也」と記している。古橋氏夫妻の墓碑および開山日助の墓碑が本堂横にある。寺宝として享和三年(一八〇三)花屋専助・高瀬屋与平治・豆腐屋仁兵衛が寄付した経磬、寛保三年(一七四三)坪井町茶屋安右衛門が寄付した子、元禄一二年(一六九九)妙行みようぎよう(現飽託郡天明町)に納入され明和七年(一七七〇)実成寺に移された日蓮画像、水無河吉郎次安の寛永一七年(一六四〇)筆の釈迦涅槃図、細井広沢の書、狩野時信の絵がある。

実成寺
じつじようじ

[現在地名]根室市常盤町

日蓮宗寺院。山号久遠山、本尊は日蓮大菩薩、鬼子母神を祀る。日蓮宗寺院は市域では明治二三年(一八九〇)に訓導阿部英耆が松ヶ枝まつがえ町に法雲ほううん寺を開創したが、宗法は進展しなかった。同三七年に兼古万吉が平内へいない町四丁目に同宗の説教所を設け、同四五年に常盤町の現在地(実業家山県勇三郎が帰依していた新興宗教アムアラハ教の地所)と建物を買収し、本堂・庫裏などを増築、大正元年(一九一二)寺号公称を許された(根室市史)

実成寺
じつじようじ

[現在地名]甚目寺町中萱津 南宿

長久山と号し、日蓮宗。本尊は釈迦如来多宝如来。元応元年(一三一九)日蓮の弟子日妙の創建。古くは妙勝みようしよう寺と称し、上萱津かみかやづ村の妙勝寺と兼帯寺だったが、明応年中(一四九二―一五〇一)織田敏定の再建造営の時から実成寺と改めた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android