宗谷岬(読み)そうやみさき

精選版 日本国語大辞典 「宗谷岬」の意味・読み・例文・類語

そうや‐みさき【宗谷岬】

北海道稚内(わっかない)市にある日本最北端の岬。宗谷海峡を隔ててロシア領サハリン樺太)のクリリオン(西能登呂)岬と対する。丘陵性の地形で、文化年間(一八〇四‐一八江戸幕府ロシア人の来襲に対する備えを置いた地。霧信号所無線方位信号所を併置した灯台がある。

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デジタル大辞泉 「宗谷岬」の意味・読み・例文・類語

そうや‐みさき【宗谷岬】

北海道北端の岬。宗谷海峡に臨む。北緯45度31分。

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日本歴史地名大系 「宗谷岬」の解説

宗谷岬
そうやみさき

日本最北端の岬で、北緯四五度三一分二二秒、東経一四一度五六分一一秒に位置。宗谷丘陵の先端にあたり、西方野寒布のしやつぷ岬とともに宗谷湾を形成する。岬突端は海岸段丘宗谷岬灯台旧海軍望楼きゆうかいぐんぼうろうがあり、晴れた日はサハリン(樺太)が遠望できる。岬名は近世からみえ玉虫「入北記」に「ソウヤ岬ヨリバツカイノ岬分明ニ見ヘニケル、サモ絶景ト云フベシ」とある。また宗谷岬の北西約一・二キロにある弁天べんてん(周囲約五〇〇メートル)は「蝦夷日誌」(二編)に「ソウヤ岩」とみえ、「一名弁天島と云り。

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改訂新版 世界大百科事典 「宗谷岬」の意味・わかりやすい解説

宗谷岬 (そうやみさき)

北海道本島北端の岬。稚内(わつかない)市に属する。先端は日本の国土の最北点にあたり,北緯45°31′の位置を占める。北は宗谷海峡をへだててロシア領サハリン(樺太)のクリリオン岬に面し,西は野寒布(のしやつぷ)岬と相対して宗谷湾を抱く。高さ30~40m,50~60mの2段の海岸段丘があり,段丘上は草地,ササ地で,先端に灯台と霧信号所,無線方位信号所があり,日露戦争当時の監視塔も残る。海沿いに国道238号線が通り,波打ちぎわに〈日本最北端の地〉の碑がある。海岸の周辺は弁天島などの小島をまじえて岩礁が広がり,岬の東側では幅700mに達する。岬の南東,大岬に地方港湾避難港の宗谷港がある。岬の南西6kmの宗谷には宗谷漁港があるが,この地はかつて松前藩の宗谷場所(交易所)としてにぎわい,1888年まで北海道北部の行政中心地であった。付近には宗谷護国寺跡,会津藩士の墓など史跡が多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宗谷岬」の意味・わかりやすい解説

宗谷岬
そうやみさき

北海道北端の岬で、稚内市(わっかないし)に属す。西の野寒布岬(のしゃっぷみさき)との間に宗谷湾を抱く。北緯45度31分、東経141度56分に位置し日本の国土の最北点にあたる。宗谷丘陵の先端部で、標高30メートルの明瞭(めいりょう)な海岸段丘が発達し、段丘上の宗谷岬灯台(1885年点灯、高さ17メートル)には霧信号所、無線方向信号局が併置されている。「日本最北端の地」の碑が立つほか、大韓航空機撃墜事件慰霊の「祈りの塔」や戦没者慰霊碑など多くの碑が立っている。海岸には弁天島などの小島がある磯(いそ)が広がり、海沿いを国道238号が走り、夏季は観光地としてにぎわう。

[岡本次郎]


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百科事典マイペディア 「宗谷岬」の意味・わかりやすい解説

宗谷岬【そうやみさき】

北海道最北端,北緯45°31′,東経141°56′にある岬。低い丘陵と海岸段丘からなり,宗谷海峡を隔ててサハリン(樺太(からふと))に対する。灯高40mの宗谷岬灯台がある。小集落の宗谷は江戸時代樺太への港で,1808年間宮林蔵もここから渡ったという。
→関連項目稚内[市]稚内[駅]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宗谷岬」の意味・わかりやすい解説

宗谷岬
そうやみさき

北海道北端の岬。北緯 45°31′22″,東経 141°56′12″で,北方領土を含まない場合の日本の最北端にあたる。北は宗谷海峡に臨み,西は宗谷湾を挟んで野寒布岬と相対する。岬付近は,標高 30~50mの海岸段丘と,幅 500m,水深 3mの波食台が発達する。段丘上の台地には灯台,霧信号所,無線方位信号所と望楼があり,晴天の日には,はるかに樺太(サハリン)を遠望できる。

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デジタル大辞泉プラス 「宗谷岬」の解説

宗谷岬

日本の歌の題名。作詞:吉田弘、作曲:船村徹。宗谷岬の風景を伸びやかに描いた歌で、作詞の吉田弘は稚内在住。

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