精選版 日本国語大辞典「季」の解説
き【季】
〘名〙
① すえ。おわり。特に、兄弟、仲間などの人間関係のなかでもっとも若い者。
※寿阿彌の手紙(1916)〈森鴎外〉一四「長を山崎某と云ひ、仲(ちゅう)を鈴木某と云って、師岡氏は其季(キ)であった」 〔詩経‐魏風・陟岵〕
② 一年のうち、春夏秋冬の四時の各末の月をいう。陰暦の三月・六月・九月・一二月の称。〔北史‐魏本紀・孝文帝〕
③ 春夏秋冬の四時の一つをいう。
※令義解(718)公式「凡諸王五位以上。諸臣三位以上。致仕身在二畿内一。毎レ季。五位以上。毎レ年。並令二内舎人一巡問一。奏二聞安不一」 〔新唐書‐柳公権伝〕
④ 年月の区分にいう。
(イ) 一年を一季とし、半年を半季という。
※浮世草子・武道伝来記(1687)二「母人ふびんをくはへられ、季をかさねてつかはれしか」
(ロ) 盆、暮などの節季。「盆暮の二季」
⑤ 和歌集の四季による部立ての総称。
※正徹物語(1448‐50頃)上「季の巻頭を毎度人の辞退ある事、さはあるまじきなり」
⑥ =き(季)の詞(ことば)
※咄本・学習院本昨日は今日の物語(1614‐24頃)「御発句と御脇と、きのたがふたことは」
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