無季(読み)ムキ

デジタル大辞泉 「無季」の意味・読み・例文・類語

む‐き【無季】

俳諧で、季が一定していないこと。
俳句で、季語を含まないこと。また、その句。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無季」の意味・読み・例文・類語

む‐き【無季】

〘名〙
季節に属さないこと。
② 俳諧で、季が一定していないこと。
※俳諧・篇突(1698)「村雨は無季にして、しかも其季をむすぶに習ひ格式あり」
③ 俳句で、季語を含まないこと。また、その句。
乙字俳論集(1921)〈大須賀乙字〉無季の句を論ず「『工場汽笛が競ひ叫べば落つる日よ』〈略〉これは無季といふ条実は秋雑に当然編入せらるべき句である」

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世界大百科事典(旧版)内の無季の言及

【詩語】より

…明治以降の近代においても,われわれはたとえば〈雪月花〉という季題の三文字によって,日本の自然の美を簡潔に要約して語ることに慣れている。現代俳句が,無季を標榜する俳人たちを内部に少数派として抱えながらも,大勢としては依然として俳句歳時記をかたわらに置き,季題・季語の宝庫に日夜出入りしている厖大な作句者たちによって支えられていることは,1000年以上に及ぶこの精緻な〈詩語の体系〉の威力を物語るものであろう。 以上のような観点に立てば,日本は世界的に見てきわめて特異といってよいほどに,詩語が語彙そのものとして体系化されて現存し,しかも生きて用いられている国だということができる。…

※「無季」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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